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【管理栄養士監修】ビタミンKとは?働きと食品、1日の目安量について

【管理栄養士監修】ビタミンKとは?働きと食品、1日の目安量について ビタミンKとは血液凝固や骨の健康に必要な脂溶性ビタミンの一つです。骨粗鬆症とも関係のある栄養素で、緑黄色野菜、納豆、海藻類に多く含まれています。ビタミンKの働きと多く含む食べ物、1日の摂取量、不足した場合や摂りすぎた場合の影響について解説します。 目次 ビタミンKとは?体内での働き ビタミンKを摂りすぎるとどうなる? ビタミンK不足と骨粗鬆症 ビタミンKを多く含む食品とは? ビタミンKを含む野菜など ビタミンKを含む肉や魚など ビタミンKの1日の摂取目安量はどれくらい? ビタミンKを摂取できるおすすめレシピ 納豆ツナパスタ 1 ビタミンKとは?体内での働き ビタミンKとは、脂溶性ビタミンの一つです1)。天然に存在するビタミンKは2種類あり、植物由来のビタミンK₁と、動物由来、微生物由来のビタミンK₂があります。ビタミンK₁は、緑黄色野菜や、海藻類、植物油などに多く含まれ、ビタミンK₂は、乳製品や肉といった、動物性食品や、納豆などの発酵食品に多く含まれます。また、人間の腸内の細菌もビタミンKを産生します1)2)3)。ビタミンKは、血液を固める作用や骨の健康の維持に関わっています1)2)3)。また、動脈の石灰化を防ぐことで、血管の健康の維持も担っています3)。 ビタミンKを摂りすぎるとどうなる? ビタミンK₁とK₂は、多量に摂取したとしても毒性はなく、ビタミンKの摂取量の上限は決められていません1)。 2 ビタミンK不足と骨こつ粗そ鬆しょう症しょう ビタミンKは、通常の食生活では不足しにくいとされていますが、厚生労働省の定める摂取目安量は、ビタミンKの血液を固める働きを正常に保つために必要な量として設定されており、骨の健康を維持するためには、より多くのビタミンKが必要と考えられています3)。特に、小腸でのビタミンKの吸収量が低下すると考えられる高齢者や、慢性疾患がある方、抗生物質を服用している方では、ビタミンKの作用や腸内での産生量が低下しておりビタミンKが不足しがちであるため、骨の健康のためにビタミンKの十分な摂取を心がけましょう3)。骨粗鬆症は、骨がもろくなった状態を特徴とした、骨折のリスクが高まる疾患です4)。骨の健康は、古い骨が吸収されて新しい骨に置き換わる新陳代謝によって維持されています4)。この過程で、ビタミンKは、骨を構成するたんぱく質を活性化し、カルシウムなどの沈着を促進して丈夫な骨にする役目を担っています3)4)。そのため、ビタミンKが不足すると骨の量が減少し、骨がもろくなってしまいます4)。 3 ビタミンKを多く含む食品とは? ビタミンKは、緑黄色野菜、海藻類、植物油、納豆などの植物性食品や、鶏肉などの動物性食品に多く含まれます1)2)。毎日の食事で取り入れやすい分量でみると、緑色の葉物野菜や納豆に特に豊富です2)。 ビタミンKを含む野菜など2) ビタミンKの摂取源になる食品には、ほうれん草や小松菜、納豆、春菊などがあります。 ビタミンKを多く含む野菜など2) 1食あたりのビタミンK含有量(μg) 0 50 100...

ビタミンB12とは?働きと多く含む食品、不足しやすい人について【管理栄養士監修】

【管理栄養士監修】ビタミンB12とは?働きと多く含む食品、不足しやすい人について ビタミンB12は水溶性ビタミンの一つで、正常な血液細胞の形成や神経機能の維持などに必要とされる栄養素です。基本的には動物性食品に含まれており、植物性食品にはほとんど含まれていません。ビタミンB12の働きと豊富に含む食べ物、不足しやすい人、1日の目安摂取量について解説します。 目次 ビタミンB12とは?体内での働き ビタミンB12を多く含む食べ物とは?食品別の含有量まとめ 1日に必要なビタミンB12の目安量はどれくらい? ビタミンB12が不足しやすい人とは? ビタミンB12が不足するとどうなる?過剰摂取の心配は? ビタミンB12を摂取できるおすすめレシピと調理のポイント あさりのモッチリおこわ 1 ビタミンB12とは?体内での働き ビタミンB12とは、コバルトという金属元素を含むビタミンの総称です。水にはやや溶けにくいですが、水溶性ビタミンに分類されます。ビタミンB12は、酵素の働きを助ける補酵素として、アミノ酸や脂質などの代謝に関わっています1)。また、正常な赤血球をつくったり、神経機能を正常に保ったりするためにも欠かせません2)。 食品中のビタミンB12は、たんぱく質と結合した状態で存在しています。胃に入ると胃酸などの働きでたんぱく質から離れ、最終的に小腸で、胃の壁の細胞がつくる別のたんぱく質と結合して吸収されます3)。 2 ビタミンB12を多く含む食べ物とは?食品別の含有量まとめ ビタミンB12は、主に、肉や魚介類などの動物性の食品に含まれており、植物性の食品にはほとんど含まれていません1)。 ビタミンB12を多く含む食材1) 動物性食品 1食あたりのビタミンB₁₂含有量(µg) 0 5 10 15 20 25 30 35 40 しじみ・生(50g)...

鉄分とは?鉄を多く含む食材と不足・過剰摂取による影響を解説

【鉄分とは?】鉄を多く含む食材と不足・過剰摂取による影響を解説 鉄が不足すると貧血の状態になり、頭痛や疲れやすさなど様々な不調を引き起こします。管理栄養士監修のもと、鉄を多く含む食材と、鉄分不足や過剰摂取した場合に考えられるからだへの影響について紹介します。 目次 鉄の種類と体内での働きについて 1日に必要な鉄の量はどれくらい? 鉄が不足するとどうなる? 鉄を摂りすぎるとどうなる? 鉄を効率よく摂取する方法とは? 鉄を多く含む主な食材とは? 1 鉄の種類と体内での働きについて 鉄は、わたしたちのからだに必要な微量ミネラルの一種です。成人のからだには約3~5gの鉄が存在しており、そのうちの70%は赤血球のヘモグロビンや、筋肉のミオグロビンに多く存在します1)。残りの30%は貯蔵鉄として、肝臓や骨髄、筋肉などに蓄えられます1)。鉄が不足すると全身に酸素が十分に運ばれなくなり、鉄欠乏性貧血が起こって、集中力の低下や頭痛、食欲不振などにつながることがあります1)。 鉄には、肉や魚などの動物性食品に多く含まれる「ヘム鉄」と、野菜などの植物性食品に多く含まれる「非ヘム鉄」の2種類があります。動物性食品に多く含まれるヘム鉄のほうが非ヘム鉄よりも体内への吸収率が高いことがわかっています1)。 1日に必要な鉄の量はどれくらい? 鉄は日本人に不足しやすい栄養素の一つです。そのため、日々の生活の中で不足しないように摂ることが大切です。1日に必要な鉄の量は年齢や性別ごとに違いがあり、女性は月経や妊娠の有無によっても変わってきます2)。 1日当たりの鉄の摂取基準(推奨量)2) 詳しく見る 男性 女性 月経あり 月経なし 18〜29歳 7.5mg 10.5mg 6.5mg 30〜49歳 7.5mg 10.5mg 6.5mg 50〜64歳...

ミネラルとは?豊富に含む食品と種類や働きをわかりやすく解説

【ミネラルとは?】豊富に含む食品と種類や働きをわかりやすく解説 ミネラルは人体に必要な栄養素の一つで、カルシウム、リン、亜鉛、カリウムなどの総称です。ミネラルは体内での合成ができず、不足するとさまざまな不調が現れます。ミネラルの種類や働き、多く含む食品などについてわかりやすく解説します。 目次 ミネラルとは?健康の維持に必要な16種類の元素と体内での働き ミネラルは不足しがち?目安量と摂取する方法 ミネラルを意識して摂取する場合の注意点 1 ミネラルとは?健康の維持に必要な16種類の元素と体内での働き ミネラルとは、私たちのからだをつくる主な元素(酸素、炭素、水素、窒素)以外のすべての元素のことを指します。からだを構成する元素のうち、酸素が65%、炭素が18%、水素が10%、窒素が3%であり、ミネラルは約4%です1)。体内で合成されないため、食事からの摂取が必要であり、その数は16種類あります1)2)。これら16種類のミネラルのことを必須ミネラルといい、そのうち、1日に100mg以上摂る必要があるものを多量ミネラル、100mg未満のものを微量ミネラルと呼びます。それぞれが、生命活動を維持するための大切な役割を担っており、不足するとさまざまな欠乏症を引き起こす可能性があることが知られています1)。 16種類の必須ミネラル1) 主な役割 元素 多量ミネラル ・歯や骨をつくる・電解質として浸透圧を調整する・神経や筋肉の機能を調整する カルシウム リン カリウム 硫黄 塩素 ナトリウム マグネシウム 微量ミネラル ・体内でさまざまな役割を担う有機化合物を構成する・酵素やホルモンの作用に関与する 鉄 亜鉛 銅 マンガン ヨウ素 セレン モリブデン...

ビタミンとは? 種類別の働きと目安量、摂取する際の注意点

【ビタミンとは?】種類別の働きと目安量、摂取する際の注意点 ビタミンは私たちのからだに欠かせない栄養素のひとつです。ビタミンは種類によって担っている働きが異なります。種類別の働きと1日に必要とされている目安量、摂取する際の注意点についてわかりやすく解説します。 目次 ビタミンとは?主な種類と働きについて 水溶性ビタミンとは? 脂溶性ビタミンとは? ビタミンの摂取目安量は?摂りすぎや不足するとどうなる? ビタミンを摂取する際に気を付けたいこと 1 ビタミンとは?主な種類と働きについて ビタミンとは、私たちの生命活動を維持するために生体内で重要な働きをする有機化合物です1)。私たちのからだをつくるもとになるのは、3大栄養素である糖質・脂質・たんぱく質ですが、ビタミンは、それらの代謝を助ける“潤滑油”のような働きをします2)。ビタミンは、体内でほとんど合成されないか、合成されても微量なため、食べものから摂取する必要のある“必須栄養素”とよばれています1)3)。ビタミンは、13種類存在することがわかっており、大きく水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンに分類されます2)。水溶性ビタミンはその名の通り、水に溶ける性質を持ち、脂溶性ビタミンは、脂(あぶら)に溶ける性質を持っています1)。 水溶性ビタミンとは? 水溶性ビタミンとは、ビタミンB群(B1、B2、B6、B12、パントテン酸、ナイアシン、ビオチン、葉酸)やビタミンCのことを指します1)。水溶性ビタミンは、その種類によって働きや含まれている食材が異なります。 種類 主な働き4) 含まれている食材 ビタミンB1 ・疲労回復・食欲増進・神経機能を正常に維持する 胚芽(米、小麦)、ごま、落花生、のり、酵母、レバーなどの臓器、豚肉など ビタミンB2 ・皮膚・髪を健康に保つ・成長促進・過酸化脂質の分解 レバー、乳、卵、肉、魚、胚芽、アーモンド、酵母、のり、乾椎茸、果物など ナイアシン ・3大栄養素の代謝を助ける・アルコールの分解 かつお節、魚、乾椎茸、レバー、肉、酵母など ビタミンB6 ・皮膚・髪を健康に保つ・神経伝達物質の合成 ひらめ、いわしなどの魚、レバー、肉、クルミなど ビタミンB12 ・造血作用・神経機能の維持...

【イラスト付き】低栄養とは?原因と対策について

低栄養とは? 低栄養とは、からだを維持するために必要な栄養素が不足している状態です。食欲が低下してゆっくりと進むこともあれば、短期間で低栄養の状態になってしまうこともあります1)。 低高齢者が低栄養になる原因は? 低栄養になる原因の一つとして、食事量が減り、栄養が十分に摂取できていないことがあります2) 。高齢になると、噛む力や飲み込む力が弱くなったり、味やにおいを感じにくくなることで、食欲や食事量が落ちやすくなります。また、一人暮らしなどの理由で栄養バランスのとれた食事が用意できない、やわらかくて食べやすいものばかりを選んでしまい栄養が偏りがちになるなど、複数の要因により、低栄養になる高齢者が増加する傾向にあります1)3)4)。 必要なカロリーがしっかりと摂れていないと、栄養不足になってしまうリスクがあります。 ご存知ですか?低栄養のリスク 「平成24年度⽼⼈保健健康増進等事業在宅療養患者の摂⾷状況・栄養状態の把握に関する調査研究報告書」平成25年3⽉国⽴⻑寿医療研究センターより⼀部改変引⽤ ※ MNA-SFによる栄養評価 低栄養って、どんな状態? 低栄養になると、食事の量や質の低下が続いたり、疲れを感じやすいなど、日常生活を送る上での不自由もみられます。筋力に影響が出ることもあり、転倒などのリスクが高まることも知られています5)。栄養が不足したからだでは、外の刺激から自分自身のからだを守る力も弱まってしまいます。各項目について、今の状態を確認してみましょう。 参考:成田美紀.健康寿命を延ばす高齢者の食事と栄養.池田書店(2018)より一部改変引用 からだを動かすには十分なカロリーが必要 このように、高齢者の低栄養はリスクが高いため、そうなる前から、栄養を十分に摂れているか気を配ることが重要です1)3)。高齢者に必要な一日のエネルギーは、65~74歳の男性で2,400kcal、女性で1,850kcalといわれています6)。 調理法によって、栄養量が少なくなる事も 同じお米でも炊いた場合とおかゆにした際、カロリーが変化する事をご存じでしょうか。調理法によって意図せずカロリーが低下してしまう事もあります。 調理法によって、栄養量が少なくなります。 食卓がミキサー食やおかゆばかりになっていませんか? 出典:日本食品標準成分表2015年(七訂) 年齢を重ねると、きちんと食べているつもりでも、栄養素が身につかず不足する事があります。そんな時は栄養補助食品をうまく食事にとりいれ、上手に活用しましょう。 ※栄養補助食品は、疾病の診断、治療、予防を目的としたものではありません。 【参考文献】 中村正史、そもそも「低栄養」ってどういう状態なの?. Nutrition Care 12(5) 514-515(2019) 小林明子、低栄養状態はどのように予防するの?. Nutrition...