【ミネラルとは?】
豊富に含む食品と
種類や働きを
わかりやすく解説
ミネラルは人体に必要な栄養素の一つで、カルシウム、リン、亜鉛、カリウムなどの総称です。ミネラルは体内での合成ができず、不足するとさまざまな不調が現れます。ミネラルの種類や働き、多く含む食品などについてわかりやすく解説します。
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ミネラルとは?
健康の維持に必要な
16種類の元素と体内での働き
ミネラルとは、私たちのからだをつくる主な元素(酸素、炭素、水素、窒素)以外のすべての元素のことを指します。からだを構成する元素のうち、酸素が65%、炭素が18%、水素が10%、窒素が3%であり、ミネラルは約4%です1)。体内で合成されないため、食事からの摂取が必要であり、その数は16種類あります1)2)。これら16種類のミネラルのことを必須ミネラルといい、そのうち、1日に100mg以上摂る必要があるものを多量ミネラル、100mg未満のものを微量ミネラルと呼びます。それぞれが、生命活動を維持するための大切な役割を担っており、不足するとさまざまな欠乏症を引き起こす可能性があることが知られています1)。
主な役割 | 元素 | |
---|---|---|
多量ミネラル | ・歯や骨をつくる ・電解質として浸透圧を調整する ・神経や筋肉の機能を調整する |
カルシウム |
リン | ||
カリウム | ||
硫黄 | ||
塩素 | ||
ナトリウム | ||
マグネシウム | ||
微量ミネラル | ・体内でさまざまな役割を担う有機化合物を構成する ・酵素やホルモンの作用に関与する |
鉄 |
亜鉛 | ||
銅 | ||
マンガン | ||
ヨウ素 | ||
セレン | ||
モリブデン | ||
コバルト | ||
クロム |
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ミネラルは不足しがち?
目安量と摂取する方法
16種類の必須ミネラルのうち13種類については、1日にどのくらい摂取したらよいかが科学的にわかっていて、基準量として定められています3)。
65-74歳 | 75歳以上 | 基準の種類 | |||
---|---|---|---|---|---|
男性 | 女性 | 男性 | 女性 | ||
カルシウムmg | 750 | 650 | 700 | 600 | 推奨量 |
リンmg | 1000 | 800 | 1000 | 800 | 目安量 |
カリウムmg | 2500 | 2000 | 2500 | 2000 | 目安量 |
ナトリウムmg | 600 | 600 | 600 | 600 | 推定平均 必要量 |
マグネシウムmg | 350 | 280 | 320 | 260 | 推奨量 |
鉄mg | 7.5 | 6.0 | 7.0 | 6.0 | 推奨量 |
亜鉛mg | 11 | 8 | 10 | 8 | 推奨量 |
銅mg | 0.9 | 0.7 | 0.8 | 0.7 | 推奨量 |
マンガンmg | 4.0 | 3.5 | 4.0 | 3.5 | 目安量 |
ヨウ素μg | 130 | 130 | 130 | 130 | 推奨量 |
セレンμg | 30 | 25 | 30 | 25 | 推奨量 |
モリブデンμg | 30 | 25 | 25 | 25 | 推奨量 |
クロムμg | 10 | 10 | 10 | 10 | 目安量 |
ミネラルは、バランス良く摂ることが大事です2)。ただし、実は、食事から摂取したミネラルがすべてからだに吸収されるわけではありません。種類によっては吸収率が数%にとどまることがあり、吸収されにくいミネラルもあります1)。
また、食べ合わせやからだの状態によってもミネラルの吸収率は変化します。例えば、カルシウムは、食塩、アルコール、カフェインと一緒に摂取したとき、閉経後や高齢になったときは吸収されにくくなります1)。
さらに、ヘム鉄(赤肉、レバー、赤身の魚などに多く含まれる)は非ヘム鉄(野菜、卵、牛乳などに多く含まれる)よりも吸収率が高いことが知られており、同じミネラルでもタイプが異なると吸収率に違いが生じることもあります1)4)。
必須ミネラルの種類ごとに摂取源となる食品は異なっており1)、私たちはさまざまな食品からそれぞれのミネラルを摂る必要があります。ミネラル不足とならないためにも、食事の際は、摂取源となる食品の種類にも目を向けながらバランス良く食べましょう。普段の食事で補うのが難しい場合には、サプリメントなどの栄養補助食品を活用するのも一つの方法です。
ミネラルを意識して
摂取する場合の注意点
サプリメントなどを利用して意識的にミネラルを摂取する場合は、過剰症や中毒が起こることがあるため摂り過ぎに気をつけなければなりません2)。必須ミネラルのうち10種類については、1日に摂取してもよい量が許容上限量として定められています。これを超える量を摂ったからといってすぐに健康障害が出るわけではありませんが、習慣的に摂り続けないよう注意が必要です3)。
1日の上限量3)
許容上限量/日 | ||
---|---|---|
65-74歳 | 75歳以上 | |
カルシウムmg | 2500 | 2500 |
リンmg | 3000 | 3000 |
鉄mg | 男性50、 女性40 |
男性50、 女性40 |
亜鉛mg | 男性40、 女性35 |
男性40、 女性30 |
銅mg | 7 | 7 |
マンガンmg | 11 | 11 |
ヨウ素μg | 3000 | 3000 |
セレンμg | 男性450、 女性350 |
男性400、 女性350 |
モリブデンμg | 男性600、 女性500 |
男性600、 女性500 |
クロムμg | 500 | 500 |