【管理栄養士監修】
ビタミンAとは?
働きと摂取量の目安

ビタミンAは、正常な免疫機能や視力、皮膚の維持などに必要な脂溶性ビタミンの一つです。レバーなどの動物性食品や緑黄色野菜に多く含まれています。ビタミンAの働きと多く含む食べ物、1日の摂取量、不足した場合や摂りすぎた場合の影響について解説します。

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ビタミンAとは?
体内での働き

ビタミンAは、「脂溶性ビタミン」という、水に溶けにくく油に溶けやすい性質を持つビタミンの一種で、視力や皮膚を正常に保つために必要な栄養素です1)。免疫系や生殖機能をはじめ、多くの臓器が適切に機能するためにも欠かせません3)。ただし、摂りすぎるとからだに蓄積していき、結果として健康を害することもあるので、過剰摂取には注意が必要です1)4)

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ビタミンAを
多く含む食べ物
とは?

ビタミンAは、ほうれん草やかぼちゃなどの植物性食品から、レバーやぎんだらなどの動物性食品まで、さまざまな食品から摂ることができます1)

ビタミンAを多く含む
野菜や果物など

ビタミンAの摂取源になる食品には、ほうれん草やかぼちゃ、春菊、小松菜、すいかなどがあります1)。基本的に「緑黄色野菜」と呼ばれる食品は、可食部100gあたりのβカロテン当量が600μg以上のものを指し、ビタミンAの主要な摂取源となります5)

ビタミンAを多く含む野菜や果物など1)

1食あたりのビタミンA含有量(μgRAE

  • 0
  • 100
  • 200
  • 300
  • 400
  • 500
  • 600
  • 700
  • 800
  • にんじんジュース(200g)
  • ほうれん草・ゆで(80g)
  • 西洋かぼちゃ・ゆで(100g)
  • 春菊・ゆで(50g)
  • 小松菜・ゆで(80g)
  • にんじん・皮なし,ゆで(20g)
  • すいか・赤肉種(200g)
  • にら・油炒め(30g)
  • みかん(100g)
  • 味付けのり(3g)

ビタミンAを含む肉や魚など1)

ビタミンAの摂取源となる食品には、鶏レバーや豚レバー、ぎんだら、うなぎなどがあります。鶏レバーや豚レバーはビタミンAを効率良く摂取できる食品である一方で、過剰摂取とならないように日常的な摂取は控えるほうがよいでしょう。

ビタミンAを多く含む肉や魚1)

1食あたりのビタミンA含有量(μgRAE

  • 0
  • 1000
  • 2000
  • 3000
  • 4000
  • 5000
  • 6000
  • 鶏レバー(40g)
  • 豚レバー(40g)
  • うなぎ・かば焼き(80g)
  • ぎんだら・水煮(70g)
  • ほたるいか・ゆで(30g)
  • くろまぐろ赤身(70g)
  • くろまぐろ脂身(50g)
  • 卵黄・ゆで(20g)
  • 全卵・ゆで(55g)
  • アイスクリーム・高脂肪(90g)

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ビタミンA
1日の摂取目安量
どれくらい?

ビタミンAに対しては、性別や年齢ごとに摂取基準が設けられています。推定平均必要量と推奨量は、ビタミンAの欠乏症を予防する観点から設定されている基準です。摂取量について確認したいときは推奨量を目安とするとよいでしょう。一方、耐容上限量は、ビタミンAの摂りすぎによる健康障害を予防する観点から、日常的にこれ以上摂らないようにする目安として設定されています2)
また、妊娠中や授乳中の女性では、おなかの赤ちゃんの発達に必要な量や母乳で失われる量を考慮して付加量が設定されています2)

1日あたりのビタミンAの摂取基準(μgRAE/日)2)
男性 女性
推定平均
必要量※1
推奨量※2 耐容
上限量※3
推定平均
必要量※1
推奨量※2 耐容
上限量※3
12~14歳 550 800 2,100 500 700 2,500
15~17歳 650 900 2,500 500 650 2,800
18~29歳 600 850 2,700 450 650 2,700
30~49歳 650 900 2,700 500 700 2,700
50~64歳 650 900 2,700 500 700 2,700
65~74歳 600 850 2,700 500 700 2,700
75歳以上 550 800 2,700 450 650 2,700
妊婦(付加量)
初期・中期 +0 +0 -
後期 +60 +80 -
授乳婦(付加量) +300 +450 -
  • ※1該当する性・年齢階級に属する50%の人が、1日の必要量を満たすと考えられる摂取量
  • ※2該当する性・年齢階級に属するほとんどの人(97~98%)が、1日の必要量を満たすと考えられる摂取量
  • ※3習慣的に摂取しても過剰摂取による健康障害を起こすことがないと考えられる上限量

ビタミンAの摂取基準について、以前は「IU」という国際単位が用いられ、ビタミンA効力として表されていましたが、現在では「レチノール活性当量(RAE)」が使用されています1)。レチノール活性当量とは、動物性食品に含まれるレチノールの量と、植物性食品に含まれるカロテノイドの量を合わせた値であり2)、1IU=0.3μgRAEに換算できます1)

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ビタミンAの
不足や過剰摂取による
影響とは?

ビタミンAが不足すると、視力の異常や、皮膚の乾燥、免疫機能の低下などがあらわれることがあります。ただし、通常、ビタミンAは肝臓に十分蓄えられているので、摂取不足が長期にわたって続かない限り、過度に心配する必要はありません1)2)

一方、ビタミンAの過剰摂取による影響としては、短期間の場合、吐き気やめまい、頭痛、目のかすみなどが挙げられます。しかし、こういった影響が確認されているのは、サプリメントやレバーを多量に摂取した場合であり、通常の食事では過剰摂取による問題は起こりにくいと考えられています。また、植物性食品に含まれるビタミンA(主にβカロテン)に関しては、過剰摂取による健康への影響は知られていません1)2)

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ビタミンAを摂取できる
おすすめレシピ

春菊とにんじんののり和え

材料(1人分)
  • 春菊
    2,3本(50g)
  • にんじん
    1/3本(40g)
  • しょうゆ
    小さじ1(5g)
  • みりん
    小さじ1(5g)
  • 砂糖
    小さじ1/2(2g)
  • 焼きのり(きざみのり)
    1g
栄養価(1人分)
  • エネルギー
    51kcal
  • たんぱく質
    2.2g
  • ビタミンA
    500μg
  • 食塩相当量
    0.9g
※レチノール活性当量
作り方
<事前準備>
  • 春菊、にんじんをゆでるための水を沸騰させておく。
  • 大きい焼きのりを使用する場合は、好みの大きさにカットしておく。
  1. 春菊の茎は小口切り、葉はざく切り、にんじんは千切りにする。
  2. お湯が沸いたら、1をさっとゆで、冷水にとる。
  3. よく水を切った2に、しょうゆ・みりん・砂糖・海苔を混ぜる。

ポイント

  • にんじんは、皮つきのまま使用すると、ビタミンAなどの栄養素を効率良く摂ることができます