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流動食とはなにか。作り方の秘訣について。

栄養なびTop 低栄養 流動食とはなにか。作り方の秘訣について。 流動食とはなにか。作り方の秘訣について。 2020/6/23 この記事は約4分で読める流動食の記事です。 流動食とは食形態の一つで、噛まなくても食べられる消化の良い食事です。調理の際に使えるノウハウを紹介しております。手間も時間もかかる流動食づくり、長続きの秘訣は頑張りすぎない事なのかもしれません。 目次 流動食とは。どのような定義なのか? 医療・介護施設などで採用されている流動食・種類は? 流動食を家庭で用意する方法 ~主食の作り方~ 流動食~おかずの作り方~ 栄養アップのヒント 献立に困ったときは、市販品に頼ることも 流動食とは。どのような定義なのか? 流動食と聞くとどのようなイメージを持たれますでしょうか。誰しもがカラダの状態、食べ物を噛んだり飲み込んだりする力、消化・吸収できるかにより、適した栄養量・食形態などを選択した経験があると思います。 「流動食」とは食形態の一つで、一般的に残渣(ざんさ)が少なく、噛まなくても食べられる、流動態の消化の良い食事のことを言います。12。 医療・介護施設などで採用されている流動食・種類は? 上記施設の提供方法の一つとして、重湯から、分がゆ、全がゆ、常食(普通の食事)へと食形態をステップアップするやり方があります。この最初に提供される重湯、野菜スープなどの液体状の食事が「普通流動食」などと呼ばれています3。ただし、このとき提供される流動食は、水分は補給できますが栄養補給としては不十分なため、できるだけ早く普通の食事を摂れるようにすることを目指します23。 食事だけでは必要な栄養が摂取できない場合に、栄養に配慮した「濃厚流動食」などの流動食が使用されることがあります12。濃厚流動食を口から摂取することが難しい場合は、胃ろう、腸ろうなどチューブにより提供されることもあります1。 流動食を家庭で用意する方法 ~主食の作り方~ ここでは、ご家庭で流動食を作る方法をご紹介します。 主食は重湯やペースト状の米がゆ、パンがゆなどを用意します。重湯はおかゆを炊いた時の上澄み液です。ペースト状の米がゆは、舌でつぶせるくらいのやわらかさのおかゆをミキサーに入れ、お湯を加えてなめらかにかきまぜます。ペースト状のパンがゆは、食パンを牛乳でさっと煮たものをミキサーでなめらかにします4。ポイントは、ミキサーにかける前におかゆや食パンにしっかりと水分を吸わせること。調理後にだんだんとかたくなってしまうのを防ぎます。水分が多い場合は、とろみ調整食品で食べやすく仕上げます5。 流動食~おかずの作り方~ 焼き魚や煮魚、肉料理、揚げ物、煮物など、普段の食事をミキサーにかけ、なめらかで食べやすい状態にします。主食と同様に、水分が多いものはとろみ調整食品でとろみを加えます。ミキサーを使うときにはいくつかポイントがあります5。 具材別にミキサーにかける何でも一緒くたに混ぜてしまっては食欲が失せてしまうものもあります。例えば、オムライスならチキンライスとスクランブルエッグを別々に、酢豚なら豚肉、にんじん、たけのこなど具材別にミキサーにかけます。見た目もいいですし、味もはっきりするでしょう。 加える水分は、煮汁や調味料を使うミキサーでなめらかにするためには水分を加える必要がありますが、湯やだし汁を加えると味が薄くなってしまいます。これでは、味を感じにくくなりやすい高齢者の食欲が落ちてしまいかねません。例えば、牛丼なら煮汁を、寿司なら寿司酢を、チャーハンならコンソメスープを加えるといいでしょう。 葉野菜は避けるレタスやサニーレタスなどの葉野菜はミキサーにかけてしばらくするとえぐみが出てくるため、あまりおすすめできません。ただ、きゅうりの酢の物やなすの浅漬けなど、ミキサーにかけてもおいしくいただける生野菜もあります。...

低栄養とは?低栄養の定義や原因は?

栄養なびTop 低栄養 低栄養とは?低栄養の定義や原因は? 低栄養とは?低栄養の定義や原因は? 2020/10/14 この記事は約3分で読めます。 低栄養となってしまう高齢者が増加傾向にあります。ここでは低栄養の定義、原因、症状、対策などについて説明。ご家族の低栄養に気づくにはどんな症状に気をつければよいのか、低栄養と診断されてしまったらどうしたらいいのか、などの疑問にお答えしています。 目次 低栄養とは? 高齢者が低栄養になる原因は? 高齢者が低栄養になるとどんな状態になるの?特徴的な症状は? 高齢者が低栄養と診断されたらどうしたらよい? 低栄養になる前に対策をすることが大切 低栄養とは? 「低栄養」とは栄養障害の一つで、カラダを維持するために必要な栄養素が欠乏している状態です。食欲が低下してゆっくりと進むこともあれば、短期間で低栄養の状態になってしまうこともあります1。 高齢者が低栄養になる原因は? 低栄養となる原因の一つとして、食事量が減り栄養が十分に摂取できていないことがあります2。高齢になると消化や吸収の機能が低下し、噛む力や飲み込む力も弱まります。味やにおいを感じにくくなることもあり、食欲が落ちやすくなります。また、一人暮らしなどの理由で栄養バランスのとれた食事が用意できない、やわらかくて食べやすいものばかりを選んでしまい栄養が偏りがちになるなど、複数の要因により、低栄養になる高齢者が増加する傾向にあります134。 高齢者が低栄養になるとどんな状態になるの?特徴的な症状は? 低栄養になると、筋肉量が減少し筋力が低下する「サルコペニア」と呼ばれる状態になりやすくなります。サルコペニアになると、転んで骨折したりするなど、リスクが高まることが知られています5。栄養が不足した体内では、カラダを維持するために、まず肝臓や骨格筋に蓄えていた糖質が使われます。しかし、その蓄えは1日分ほどしかないため、すぐに脂質やタンパク質が使われていき、筋肉量が減っていきます。さらにすすむと、内臓のタンパク質が消費されるため内臓の機能が下がります。筋力低下で噛む力も弱くなり、誤嚥を起こしやすくなります。また、免疫力が低下して感染症にかかりやすくなるほか、床ずれ(褥瘡)なども治りにくくなることがあります13。 このように、高齢者の低栄養はリスクが高いため、そうなる前から、栄養を十分に摂れているか気を配ることが重要です13。 高齢者が低栄養と診断されたらどうしたらよい? 低栄養と診断された場合は、できる限り早く栄養療法を開始する必要があります。口から食事を摂れている方であれば、食事摂取量を増やすことや、栄養食などの補食がすすめられます。噛む力や飲み込む力の衰えにより口からの食事で栄養が摂れていない場合は、経管栄養が考慮されます3。 栄養を追加で摂るだけでなく、口からものを食べられるよう噛む力や飲み込む力を保つ訓練を行って、低栄養への対策をすることも重要です4。また高齢者では、特にサルコペニアの対策に気を配る必要があるため、栄養療法に加えて運動療法も行うことがすすめられています。タンパク質を十分に摂りながら運動を習慣づけることが、筋肉量を保つために重要です35。 低栄養になる前に対策をすることが大切 大切なのは、低栄養になる前の対策です。日頃から食事の頻度を減らさず、栄養バランスの良い食事を摂ることや、食事から十分に栄養を摂れない状態になっていないか気をつけ、変化に気づいたときには早めにかかりつけの栄養士等に相談するようにしましょう2。 変化に気づくために、体重などを定期的に測って記録するのもおすすめです。ただし高齢者の場合、腎臓の機能が弱ることでからだの水分が増え、むくみ(浮腫)が出ることがあるので注意しましょう。むくみがあると体重が増えるため、低栄養を見過ごしがちです24。単に脂肪がついている場合と異なり、むくみの場合は10秒以上強く指で押すと凹みができるので、目安にするとよいでしょう4。 ※栄養補助食品は、疾病の診断、治療、予防を目的としたものではありません。 中村正史、そもそも「低栄養」ってどういう状態なの?. Nutrition Care...

在宅介護のお悩みを栄養で解決!

在宅介護のお悩みを栄養で解決! 新着情報 [高齢者と食事]高齢者が食べてくれないときは、どうしたらいいの? [がんと栄養]がん治療中の調理の工夫 イチオシ記事 がんと栄養 がん治療中の調理の工夫 がん治療中に、体力がないときや、副作用で味覚が変わって不安なときの調理の工夫をご紹介します。 Read More 高齢者と食事 「うまく飲み込みにくい」ってどういうこと? 高齢者は飲みこみに問題が起きていることがあるため、普段の観察で気をつけたい点をご紹介します。 Read More レシピ 桃のシュワシュワゼリー Read More おなかの健康 食物繊維を摂ると血糖値が上がりにくくなるって本当? 食物繊維を食べると血糖値は上がりにくくなる?食べるならいつが良い?などについて解説します。 Read More 新着記事 おなかの健康 お通じの悩みスッキリコラム どこからが便秘?どこからが下痢? 便秘がつづくと血圧が上がるって本当? »「お通じの悩みスッキリコラム」一覧を見る...

高齢者の食事におけるたんぱく質の重要性

栄養なびTop 高齢者と食事 やわらか食事介助コラム:高齢者の食事におけるたんぱく質の重要性 高齢者の食事におけるたんぱく質の重要性 2019.3.22 高齢になるほど、たんぱく質の摂取が大切です 高齢になると、食べたり、飲み込んだりするからだの機能が衰え、食べられる量が減ることがあります。それによってからだに必要な栄養が不足し、低栄養状態になると、筋肉がやせて筋力が衰えてしまいます。いつまでも自分の足で歩いたり、元気に好きなことを楽しんだりするために、筋力の衰えを防ぐことは大切です。筋力を保つために、からだを動かすために必要なエネルギーとあわせて、からだをつくるもととなるたんぱく質を積極的に摂ることを心がけましょう。 たんぱく質を多く含む食品を積極的に食べましょう 高齢者に必要なたんぱく質の推奨量は、一般的に、70歳以上の男性で1日60g以上、女性で1日50g以上といわれています1)。ただし、食べる量が少ないなどエネルギーの摂取量が低い人は、たんぱく質摂取量に注意が必要です1)。 肉や魚、卵、乳製品など、たんぱく質を多く含む食品を積極的に摂りましょう。食事のときに、一度にたくさんの量を食べることが難しい場合には、おやつとして市販の栄養補助食品などを活用してたんぱく質を補うこともできます。 1. 日本人の食事摂取基準(2015年版) 前の記事 次の記事 記事一覧に戻る 関連トピックス 高齢者の食事におけるエネルギー(カロリー)の重要性 栄養価 高齢者がやせるのが心配…サルコペニアってなに? 栄養価 高齢者の低栄養ってなに? 栄養価 前の記事 記事一覧 次の記事

食物繊維って なんだっけ?

栄養なびTop おなかの健康 食物繊維のチカラ:食物繊維ってなんだっけ? 食物繊維ってなんだっけ? 2018.12.21 実は第6の栄養素「食物繊維」 食物繊維は便通に良いと聞くけれど、便と一緒に出てしまって栄養にならないのでは、繊維質の多い食べ物は食べにくいから苦手、などと思われて敬遠しがちな方も多いかもしれません。栄養学的にも食物繊維は、そのような理由で注目されなかった時代もありましたが、近年では腸内環境を整えるなど多くのはたらきが認められ、5大栄養素(たんぱく質、脂質、炭水化物、ミネラル、ビタミン)に次ぐ第6の栄養素と呼ばれています。1)~3) 食物繊維には水溶性のものと不溶性のものがあり、野菜やいも類のようないかにも繊維質なものだけでなく、実はこんにゃくやきのこ類などさまざまな食品に含まれています。2) 食物繊維の摂取量は足りていない 1日に摂取したい食物繊維の量は成人(50~69歳)の男性で20g以上、女性で18g以上とされています。4) しかし厚生労働省の平成29年国民健康・栄養調査結果によると、実際の摂取量は、60~69歳の方の平均で約16gしかなく、5) 十分な量を摂取できていない方が多いようです。食物繊維は、便秘解消に限らず、健康維持に大切なさまざまな役割を持つ栄養素ですから、積極的に毎日の食事に取り入れたいですね。 食物繊維を多く含む食材の中には固いものや繊維質が多いものがあるので、食べにくく感じるときもあるでしょう。そんなときは、細かく刻む、煮るなど、調理方法を工夫してみましょう。食物繊維を含んだ食べやすい食品を活用してみるのも良いでしょう。 内藤裕二、人生を変える賢い腸のつくり方.ダイヤモンド社(2016) 灘本知憲、仲佐輝子. 基礎栄養学. 化学同人(2015) 新出真理. くらしに役立つ栄養学. ナツメ社(2018) 日本人の食事摂取基準(2015年版) 平成29年「国民健康・栄養調査」(厚生労働省) 前の記事 次の記事 記事一覧に戻る 関連トピックス 最近よく聞く「短鎖脂肪酸」って? 食物繊維 すごい食物繊維があるって本当? 食物繊維...

「やわらか食事介助コラム」の記事一覧

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