飲み込む力を鍛える方法は?
2019.5.10
飲み込みにくい原因を知ることが大切です
飲み込みに問題があっても、問題を起こしている原因の治療を行ったり、安全に食べられる方法を考えたりすることで、飲み込む力を回復できることがあります。そのためには飲み込みにどの程度の問題があるのか、何が原因になっているのかについて専門家に調べてもらう必要があります1)。
家でできる飲み込みの訓練も
飲み込む力を回復させる訓練には、食べ物を使わないで行う基礎訓練と、食べ物を使って行う摂食訓練があります1)2)。
基礎訓練には筋肉の緊張を緩める顔のマッサージ、凍らせた綿棒で喉を刺激し飲み込みを促すアイスマッサージ、食べるための筋肉を鍛える舌や頬、肩、首などの体操、呼吸の訓練などがあります1)。
基礎訓練で食べる力が回復してきたら、摂食訓練を始めます。飲み込みやすい体位にしたり、食べ物の形や状態を工夫しながら、食べ物を口にしていきます。飲み込みの繰り返しなども行います。また、かむ力の訓練には食後のガムかみなどもあります1)。
飲み込みの問題をそのままにしていると、飲み込む力やかむ力がどんどん衰えてしまいます。基礎訓練は、今、口から食べられている人の誤嚥予防にもなります。どの訓練方法がよいかは、飲み込みの過程のどこに問題があるかによっても異なるので、専門家に相談しながら続けていきましょう1)。
1.藤島 一郎、嚥下障害のことがよくわかる本.講談社.(2014)
2.日本摂食嚥下リハビリテーション学会医療検討委員会、訓練法のまとめ(2014版)日摂食嚥下リハ会誌.18(1)55-89(2014)