食事介助とその準備で注意すべきこと

2019.4.19

食事介助の準備段階から注意すべきこと

高齢者の誤嚥を防ぐためには、食事の準備段階から注意すべきことがあります。
まず大事なのは、食事の環境を整えることです。気がそれるテレビやラジオは消し、食堂などで食事する場合は入り口の近くなど人の多い場所はできるだけ避けましょう。また、食べやすさに直接関係する食器も大切です。スプーンですくいやすいように縁が直角に立ち上がっている皿や、底面に滑り止めが付いている皿など、工夫された食器もあります。

認知症の方などでは使い慣れた馴染みのある食器でないと食が進まないこともありますので、その方にとって食べやすい食器を使うとよいでしょう1)
生活リズムを整え、しっかり目が覚めている状態で食事することも重要です。また普段の生活での口腔ケアは、唾液の分泌を促進し、味覚も改善する上に口の中の細菌が減って誤嚥性肺炎の予防にもつながりますので、習慣づけて行いましょう1)

食事介助で注意すべきこと

食べ物がまだしっかり飲み込めていない状態で次々と食べ物を詰め込むと非常に危険です。 急いで食べると、飲み込めずに残った食塊が気道に入り込み、誤嚥や窒息を起こす危険性が高くなります。焦らずに少しずつ、しっかり飲み込めたことを確認してから次の一口を入れることが大切です2)
介助される方ご自身が忙しい場合などではつい急かしてしまいがちですので、時間と心の余裕を常に忘れないように心がけましょう。

1.栢下 淳、イチからよくわかる摂食・嚥下障害と嚥下調整食 食べにくい患者への食事アプローチ.メディカ出版(2014)

2.藤島 一郎、嚥下障害のことがよくわかる本.講談社(2014)