卵を使った離乳食の進め方
適量タイミング卵白の進め方

赤ちゃんにはじめて卵を与える方向けに、卵黄と卵白の進め方と月齢別のスケジュールなどをご紹介します。卵は、離乳初期の生後5~6ヶ月から20分間ゆでた固ゆでの卵黄を少量ずつ試し、様子を見ながら進めましょう。先輩ママの体験談もご紹介します。

離乳食の卵は
生後5~6ヶ月に
卵黄から開始

卵は、食物アレルギーの原因になりやすい食べ物のひとつです1)。食物アレルギーとは、特定の食べ物を食べた後にアレルギー反応を引き起こし、皮膚や呼吸器、消化器、全身に症状があらわれる病気で、乳幼児での発症することが多いのが特徴です2)。赤ちゃんが食物アレルギーを発症することを心配し、離乳食や特定の食品を開始する時期を遅らせることがありますが、それはアレルギー発症の予防にはならないことがわかっています1)2)。赤ちゃんが生後5~6ヶ月になって離乳食を開始し、おかゆ、野菜などに慣れ、豆腐や白身魚などたんぱく質を摂るようになったら、卵に挑戦してみましょう2)

アレルギー対応について

アレルギーの原因となる物質(アレルゲン)は卵黄より卵白に多く含まれます。卵は加熱処理することでアレルギーを起こしにくくなるので、固ゆでした卵黄から始めて、十分に火が通っていない半熟の卵は食べさせないように気をつけることが大切です1)3)。アレルギーと思われる症状があった場合は、自己判断せずに、すぐに病院を受診してください1)

【初めての人向け】
離乳食の卵の進め方

離乳食の卵は、固ゆでした卵黄を耳かき1杯程度の量から始め、離乳中期(7~8ヶ月頃)に卵黄1個~全卵1/3個、離乳後期(9~11ヶ月頃)に全卵1/2個、離乳完了期(1歳~1歳6ヶ月頃)に全卵1/2~2/3個を食べられるように進めていきます2)。卵アレルギーのほとんどは、すぐに症状があらわれるため、食べたあとに、口の周り、顔、からだに発疹がないか、皮膚が赤くなっていないか、よく観察してください。また、嘔吐や下痢などの症状がでることもあります1)。卵黄や卵白をはじめて食べさせるときは、赤ちゃんの体調が良い日を選び、何らかの症状がでたらすぐ受診できるように、しばらくの間は、平日の午前中に食べさせるとよいでしょう4)

卵黄の進め方

熱湯で20分間ゆでた卵から卵黄を取り出し、半分に割って卵黄中央部からほんの少しすくい取ります。卵黄は、冷ましたお湯、おかゆ、すりつぶした野菜等と混ぜて、トロトロのなめらかな状態にします。初日は耳かき1杯分、翌日は2杯分、と様子を見ながら、少しずつ量を増やし、卵黄1個分まで食べられるようにします1)4)

卵白の進め方

卵白は、卵黄1個分を食べられるようになってから始めます。卵黄と同様に、熱湯で20分間ゆでた卵の卵白を耳かき1杯分から試し、問題がなければ、少しずつ量を増やしていきましょう。卵白に慣れてきたら、卵黄と混ぜて全卵であげてみてください。ゆで卵は細かく砕いたり、スープに入れたりすると食べやすくなります。分量が増えてきたら、いろいろな卵料理を試してみるのがおすすめです。離乳が完了する頃には、全卵1/2~2/3個くらいを食べられるようになります1)4)

先輩ママの体験談

Mama's
Voice
20代のママ

アレルギーには漠然とした不安がありました。さらにもともと料理に自信がなかったため、離乳食づくりとなるとハードルが高く、きちんと食べてくれるか不安でした。そのため、購入した本で推奨されている作り方やタイミング、量の通りに、卵を食べさせるようにしました。
食べさせた後も、そわそわした気持ちでしばらく子どもから目が離せませんでしたが、その後いつも通り元気に過ごしている姿を見て安心しました。

Mama's
Voice
30代のママ

2人の子どものうち、特に下の子には慎重に卵を食べさせました。上の子に卵アレルギーがあり、下の子にもすでにミルクでアレルギーの症状が出ていたためです。
アレルギーの症状が出てもすぐに対処できるように、平日の昼間に食べさせたり、上の子は半熟の卵でアレルギーの症状が出たので、よく火が通っているか意識して確認したりしていました。きちんと加熱されている市販の離乳食も活用していましたね。最初は不安でしたが、アレルギーの症状が出ることなく食べさせることができて、ほっとしました。

月齢別の進め方
スケジュール2)6)

離乳食の進み方や食べる量は、赤ちゃん一人ひとり違います。ここで示すスケジュールはあくまで目安とし、赤ちゃんのペースに合わせて進めていきましょう。

離乳初期(生後5~6ヶ月)
固ゆでした卵黄を、耳かき1杯の量からはじめます。卵黄1個を目標に、1日1回、1~2ヶ月かけて、少しずつ量を増やしていきます。
離乳中期(生後7~8ヶ月)
中期から2回食になります。卵黄1個分が食べられるようになったら、卵白を試していきます。固ゆでした卵白を、耳かき1杯の量から始めて様子を見ます。卵白に問題がなければ、卵白と卵黄を混ぜて食べさせてみましょう。この時期は全卵1/3個が目標です。
離乳後期(9~11か月)
後期は3回食が始まり、全卵1/2個まで量を増やしていきます。ゆで卵なら軽く潰したり、かきたまスープにしたりと、食べやすくなるように工夫するのがポイントです。
離乳完了期(1歳~1歳6か月)
完了期には全卵1/2~2/3個まで食べられるようになり、炒り卵や卵焼きなどの卵料理も試せます。この頃になると必要になるおやつ(補食)として、フレンチトーストやオムレツサンドイッチなどもおすすめです。
離乳初期
(生後5~6ヶ月頃)
離乳中期
(生後7~8ヶ月頃)
離乳後期
(生後9~11ヶ月頃)
離乳完了期
(生後12~18ヶ月頃)
1日の食事の
スケジュール

1日1回食

1日2回食

1日3回食

1日3回食
+おやつ
(捕食)

食材の
かたさと
量の目安

卵黄を耳掻き1杯分からスタートし、少しずつ増量

卵黄1個〜
全卵1/3個

全卵1/2個

全卵1/2〜
2/3個

卵を食べさせる時に
よくある質問

卵黄だけを食べる場合には、
アレルギーは起きませんか?
卵黄でアレルギーを起こすことは少ないといわれていますが1)3)、絶対に起こさないというわけではありませんので、卵黄を食べさせた後には赤ちゃんの体調に変化がないかよく観察しましょう。
卵の適切なゆで時間は?
熱湯で20分間ゆでるのが基本です。卵白に含まれるアレルギーの原因物質は、加熱によってアレルゲン性が低下し、アレルギーの症状を引き起こしにくくなることが知られています1)
新鮮な卵じゃなくてもよいですか?
古い卵は食中毒をおこす可能性があります5)。賞味期限内の新鮮な卵を使うようにし、卵は割ったらすぐに調理しましょう。
1食で卵黄1個が多く食べきれない
場合は、
どうしたらよいでしょうか?
無理に食べさせる必要はありません。赤ちゃんが好む味付け、食感のメニューにしたり、2回食になる中期以降であれば1回で食べきれないときは分けてあげたりするなどの工夫をしてみてもよいでしょう。また、食べる量は日によっても変わりますから、赤ちゃんの様子を見ながら調整しましょう2)4)

Point

生後5~6ヶ月になると母乳だけでは栄養が足りなくなります1)。卵はとても栄養価の高い食品なので、アレルギーを心配し過ぎずに、離乳食に取り入れていきましょう。