腸がメンタルに影響する?!
腸脳相関のハナシ

2019.4.26

腸の問題は全身の問題

腸内環境がお通じに影響を与えることは、よく知られるようになりました。腸内環境を改善しようと、ヨーグルトなどを意識して摂っている方も多いのではないでしょうか。
しかし実は、腸内環境を整えるメリットは便通改善だけではありません。腸は、ホルモンや自律神経を介して脳と密接につながっています。腸内環境の変化が、脳から全身へ影響を与えることもあるのをご存じでしょうか1)
例えば、緊張する場面でお腹を壊してしまう方がいます。これは、ストレスを感じた脳が分泌したホルモンが、腸内環境に異常を引き起こしているのです。
脳からの情報が腸に影響を与える例です1)

逆に、腸からの情報が脳に影響することもあります。腸内細菌が食事で摂った食物繊維などを分解するときに作り出す「短鎖脂肪酸」という物質が、腸の表面にある細胞と結びつくと、食欲を抑えるよう脳に伝えるホルモンの分泌を促すことがわかっています2)
このような腸と脳との密接なつながりは「腸脳相関」と呼ばれ、注目を集めています。

健康な腸内環境を手に入れるためには?

腸内環境を良くするカギを握るのは、プラスの働きをする善玉菌とマイナスの働きをする悪玉菌の割合です。善玉菌を増やすためには、ヨーグルトなどで直接、善玉菌を摂ることに加え、善玉菌が腸の中で増殖しやすい環境を作ることも大切です。そこで重要な役割を果たすのが、短鎖脂肪酸です。短鎖脂肪酸が増えると腸内は酸性に傾き、善玉菌が増えやすい環境になります。短鎖脂肪酸は、腸内細菌が食物繊維を分解することによって生まれますので、毎日の食事で食物繊維をしっかり摂ることが大切です1)

グアー豆

  1. 内藤裕二、人生を変える賢い腸のつくり方.ダイヤモンド社.(2016)
  2. Samuel B. et al. PNAS. 105(43)16767-16772 (2008)