便秘が続くと血圧が上がるって本当?
2019.4.12
高齢者の血圧は変動しやすい
血圧が高く、高血圧の治療を受けている高齢者の方も多いことでしょう。日本では食事が欧米化し、高齢化社会を迎えていることから、高血圧の方が増えると予想されています。高血圧は脳卒中、心臓病、腎臓病などのリスクを高めることが知られています。健康を維持するためには、血圧を適正に保つことが大切です1)。
血圧は1日の中でもさまざまな影響を受けて上がったり下がったりしています。特に高齢者では血圧が変動しやすく、立ち上がったときに血圧が上下したり、食事のあとに血圧が下がってふらついたりするので、注意する必要があります2)。
排便時のいきみで血圧上昇、便秘には注意を
高血圧の治療では、第1段階として食塩摂取量の制限、野菜、果物、低脂肪乳製品が豊富な食事への切り替え、適正体重の維持、運動、節酒、禁煙などの生活習慣改善を行い、それでも血圧が下がらない場合に、第2段階として降圧薬を使います。しかし、こうした治療で日ごろから血圧のコントロールを心がけていても、意外な理由で血圧が上がってしまうことがあります。それが便秘です。
便秘に伴う排便時のいきみは血圧を上昇させるため、高血圧の気になる方には、便秘を予防し、場合によっては緩下薬などで治療することがすすめられています1)。便秘の解消は、血圧を適正に維持するためにも重要なのです。
- 高血圧治療ガイドライン2014.ライフサイエンス出版.(2014)
- 高齢者高血圧診療ガイドライン2017. 日老医誌. 54 236-237(2017)