どこからが便秘?どこからが下痢?
2019.7.5
便秘ってどんな状態をいうの?
毎日排便していないからといって、便秘とは限りません。便秘とは、本来体の外に出すべき便を、十分量かつ快適に出せない状態をいいます1)。 週3回以上便が出ないと、お腹が張ったり、便が硬く出しにくくなるなどの不調を感じる人が多いことから、週3回未満は便秘症と診断される基準の一つに挙げられていますが、排便の習慣は人によって差があるため、一概に排便回数だけで判断することはできません1)。
便が気持ちよく出てくれず、腸の中に長くとどまっていると、水分がどんどん吸収されて硬くなり、さらに排便しづらくなります。そのため、便秘のときの便は、正常な便と比べて、水分が乏しい硬い便となり、小さいコロコロした便しか出ないこともあります。また、正常な便がなめらかで排便しやすいのに比べ、強くいきまないと出なかったり、便が残っている感じがしたりします1)。
便秘も下痢も排便回数だけでなく便の状態も観察しよう
逆に、なんらかの原因で便に含まれる水分が多くなり、排便の回数が増え、つらい腹痛を伴ったりすれば、下痢として症状への対処が必要となります。便の形もゆるく崩れて泥状になります。ほとんど水のようになることもあります2)。
便秘も下痢も急性と慢性があり、病気が背景にあるものから生活習慣やストレスによるものまで、原因はさまざまです2)。 お通じのトラブルを病院で相談するときには、排便の回数だけでなく、便の状態も観察して医師に伝えるようにしましょう3)。
- 慢性便秘症診療ガイドライン2017. 南江堂.(2017)
- 細田誠弥.生活習慣と排便異常.順天堂医学.50(4)330-337(2004)
- 水上健.慢性便秘症を治す本.法研.(2018)