便秘にはどんな種類があるの?
2019.4.26
原因による種類、症状による種類がある
便秘の種類の分け方にはいくつかの方法があります。日本の医師が便秘の治療を行う際に参考にしている『慢性便秘症診療ガイドライン』では、原因による分類と、症状による分類が示されています。
原因による分類では、病気で大腸の形が変化したことで起こる便秘を「器質性便秘」、大腸の形の変化を伴わない場合を「機能性便秘」としています。症状による分類では、排便の回数が減っている場合を「排便回数減少型」、快適に排便できない場合を「排便困難型」としています1)。
大腸の形が変化して起こる「器質性便秘」
「器質性便秘」はさらに、大腸がんなどの病気によって大腸の一部が狭くなる「狭窄性」と、狭くなっている部分がない「非狭窄性」に分けられます。「非狭窄性」は、巨大結腸などによって大腸の一部が広くなり、便が大腸を通過する時間が長くなって排便の回数が減る「排便回数減少型」と、直腸瘤などによって直腸の形が変わり、便を排出しにくくなる「排便困難型」に分けられます1)。
便を排出する機能の低下、食事量の不足などで起こる「機能性便秘」
「機能性便秘」は、さらに3つの種類に分けられます。代謝・内分泌疾患などの病気や薬の影響で便が大腸を通過する時間が長くなっている場合を「大腸通過遅延型」、便は大腸を正常に通過しているものの食事の量が足りなかったり、過敏性腸症候群などにより便が硬くなって排便が困難になる場合を「大腸通過正常型」といいます。骨盤底筋の働きや腹圧、直腸の感覚といった便を排出するために必要な機能が低下して起こる便秘は「機能性便排出障害」に分類されます1)。
便秘の治療では、このような便秘の種類や原因を把握した上で、最適な方法が検討されています。
- 慢性便秘症診療ガイドライン2017. 南江堂.(2017)