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【管理栄養士監修】 コラーゲンを増やす 食べ物とは?

【管理栄養士監修】コラーゲンを増やす食べ物とは? ヒトの肌や腱、軟骨や血管などあらゆる組織に分布するコラーゲン。コラーゲンの合成には、アミノ酸や、鉄分、ビタミンCなどが重要です。ここでは、コラーゲン合成に役立つ食べ物をご紹介します。食生活を見直し、バランスの良い食事を目指しましょう。 コラーゲンは食べ物で増やせるのか? コラーゲンは、タンパク質の一つで、肌、軟骨、腱や血管などを構成する成分です。少し前までは、コラーゲンを多く含む食べ物を摂取しても、ほかのタンパク質と同様に分解されてアミノ酸として吸収されるため、体のなかのコラーゲンを増やしたい場合でも、コラーゲンを意識した食事をとる必要はないと考えられていました1)。 ところが最近、コラーゲンはほかのタンパク質とは異なり、一部は分解されずにペプチド(コラーゲンペプチド)として体内に吸収されることがわかってきました。ペプチドとは、アミノ酸が複数個連なったもののことです。このペプチドが小腸で吸収された後、全身の細胞で新しいコラーゲンの合成に関わるシグナルを発するといわれています1)。そのため、食べ物からコラーゲンを摂取することは、体内のコラーゲンを増やすことにつながる可能性があります。 また、体内でコラーゲンをつくるにはアミノ酸のほか、ビタミンCや鉄分といった栄養素が欠かせません。コラーゲンには、ほかのタンパク質にはみられないヒドロキシプロリンやヒドロキシリジンといったアミノ酸が存在します2)。これらのアミノ酸からコラーゲンをつくるために、ビタミンCや鉄分といった栄養素が必要です3)4)。 コラーゲンの摂取に関する研究によると、1日5gから10gの摂取で肌状態が改善するなどの報告があります1)が、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」などでは摂取量の基準値は設けられておらず6)7)、何をどれだけ食べればコラーゲンが増えるといった明確な答えはありません。コラーゲンの合成に関わるビタミンCや鉄分など他の栄養素も含めて、バランスのとれた食事が重要といえるでしょう。 コラーゲン合成に役立つ食べ物とは コラーゲンを多く含む食べ物に加え、体内でコラーゲンを作るために必要なビタミンC、および鉄分を多く含む食べ物をご紹介します。 コラーゲンを多く含む食べ物 動物性食品に多く、肉類では特に赤身部位よりも内臓やスジに多く含まれます。魚介類では、フカヒレ、うなぎ、はもなどが代表的ですが、ほかの種類の魚であっても皮の部分には豊富です。コラーゲンの摂取源となる食べ物は脂質が多いものもあります5)。脂質の摂り過ぎは、カロリーオーバーやコレステロール値の上昇につながる可能性があるため、食べる量には気をつけましょう。 コラーゲンを多く含む食べ物5) 食材 食材100gあたりのコラーゲン量(mg) フカヒレ(戻したもの) 9,920 はもの皮(皮のみ) 7,660 うなぎのかば焼き 5,530 牛スジ 4,980 鶏軟骨(胸) 4,000 はも(皮あり) 3,560 豚白モツ 3,080 はも(肉のみ) 2,540...

【管理栄養士監修】コラーゲンとタンパク質の関係とは?1日の摂取量についても紹介

【管理栄養士監修】コラーゲンとタンパク質の関係とは?1日の摂取量についても紹介 コラーゲンとは、タンパク質の一種で人間のからだを構成するタンパク質のうち約30%を占めています。ここではコラーゲンの役割や、タンパク質との関係、推奨されている1日の摂取量について解説します。 コラーゲンとは?コラーゲンとタンパク質はどう違う? コラーゲンは、体の細胞や組織を「つなげる」「支える」「外との境界を作る」上で、とても大切な役割を果たしています1)。 また、コラーゲンは、タンパク質の一つです。人の体のおよそ20%はタンパク質でできていて、そのうち約30%をコラーゲンが占めています。特に皮膚に多く、体内のコラーゲンの約40%は皮膚にあり、肌のみずみずしさやハリを保つのに役立っています。次に多いのは骨や軟骨、腱です。ヒアルロン酸の産生をサポートして関節のクッション機能を支えたり、骨の生まれ変わりを助けたりしているといわれています。ほかには血管のしなやかさを保つなどの働きがあります1)。 コラーゲンはどんなタンパク質?その特徴について解説 コラーゲンは「単純タンパク質」である いくつものアミノ酸が連なり、それがさらに折りたたまれて立体的な形になったものがタンパク質です。つまり、タンパク質はアミノ酸からできているといえますが、なかにはアミノ酸だけでなく、金属や糖などを含むタンパク質もあります。アミノ酸だけで構成されているものを「単純タンパク質」、アミノ酸とその他の物質で構成されているものを「複合タンパク質」と呼びます。コラーゲンは、単純タンパク質に分類されます2)。 コラーゲンは「繊維状タンパク質」である タンパク質は、その立体的な形のタイプによって「球状タンパク質」と「繊維状タンパク質」にも分類できます。コラーゲンは、アミノ酸がいくつも連なった鎖3本がらせん状にねじれた形をしており、「繊維状タンパク質」に分類されます1)3)。一般に、球状タンパク質は水に溶けやすいのに対し、繊維状タンパク質は水に溶けにくい特徴があります3)。 コラーゲンの1日の摂取量とは? コラーゲンの1日の摂取基準というのは定められていませんが4)、コラーゲンペプチドの摂取に関する研究によると、1日5~10gの摂取で肌状態が改善するなどの報告があります1)。一方、「日本人の食事摂取基準(2020年版)」における、たんぱく質の1日の推奨量については、男性では15~64歳であれば65g、65歳以上であれば60g、女性では18歳以上で50gとされています5)。たんぱく質不足にならないバランスの良い食事をこころがけることが大切です。 コラーゲンを含む食べ物 コラーゲンは、肉や魚などの動物性食品に多く含まれます。牛スジや鶏軟骨、フカヒレやうなぎなどは特に豊富に含まれている食材です。ただし、コラーゲンの摂取源となる食材は高脂質のものも多いため6)、脂質の摂り過ぎによるカロリーオーバーやコレステロール値の上昇には気をつけましょう。 >コラーゲンを多く含む食べ物 コラーゲンは、タンパク質の一種であり、私たちのからだをつくるのに欠かせない成分です。タンパク質不足や脂質の過剰摂取に注意しつつ、日々の食事にコラーゲンを含む食べ物を取り入れてみるとよいでしょう。 監修 認定栄養ケア・ステーション ラシーネ練馬中村橋 管理栄養士 高安 ちえさん 管理栄養士 若林 美幸さん 「コラーゲンペプチド・ファクトブック」(日本ゼラチン・コラーゲン工業組合)https://www.gmj.or.jp/collagen_factbook/html5.html 船山信次、アミノ酸 タンパク質と生命活動の化学. 東京電機大学出版局.(2009) 畑山巧、ベーシック生化学. 化学同人.(2009) 「健康食品」の安全性・有効性情報(医薬基盤・健康・栄養研究所)https://hfnet.nibiohn.go.jp/ 「日本人の食事摂取基準(2020年版)」(厚生労働省) 野口 知里ほか、20代から50代日本人女性における食事由来コラーゲン推定摂取量の特徴.栄養学雑誌.70(2)120-128(2012) コラーゲンとは...

コラーゲンを食べても意味ない? 本来の働きとからだへの影響

コラーゲンを食べても意味ない? 本来の働きとからだへの影響 コラーゲンを食べても意味はないといわれていた理由と、コラーゲンを摂取することで得られるからだの変化について、近年発表されている論文を参考にわかりやすく解説します。コラーゲンを過剰摂取した場合や、コラーゲンを多く含む食べ物についてもご紹介します。 コラーゲンを食べても本当に意味がないのか? コラーゲンは、食べても体内で消化されてアミノ酸に分解されてしまうため、特別な機能はないものと長い間考えられていました。しかし、最近の研究から、口から摂取したコラーゲンが、からだにとって有益な機能を示すことがわかってきました1)。 例えば、コラーゲンペプチドの摂取と運動を組み合わせた試験では、筋力の増加などが報告されています2)3)。閉経前の女性77人に12週間のトレーニング(週3日)とともに、毎日15gのコラーゲンペプチドまたはプラセボ(偽薬)をトレーニング後60分以内またはトレーニングのない日は同じ時間に摂取してもらう試験を行いました。その結果、コラーゲンペプチドの摂取とトレーニングを組み合わせて行った群は、トレーニングのみを行った群よりも、脂肪組織以外の骨や筋肉などの量(除脂肪量)と握力が有意に増加し、脂肪量が減少し、足の強度が増加しました2)。 骨折または脳卒中で回復期リハビリテーション病棟に入院した65歳以上の高齢者を対象に行った試験では、コラーゲンペプチド10gを含む栄養補助食品を摂取してリハビリテーションを行う群と、リハビリテーションのみを行う群に分けて、コラーゲンペプチドが筋肉量に与える影響について調べました。その結果、リハビリテーションのみを行った群と比較して、コラーゲンペプチドを摂取した群では、除脂肪量、骨格筋量などの変化量が有意に大きくなりました3)。 また、コラーゲンペプチドが骨の健康に与える影響についても報告されています4)。骨減少症の閉経後女性51名を対象に行った試験では、コラーゲンペプチド5g+乳酸カルシウム3.6g (500mgの元素カルシウムに相当)+ビタミンD3 400IUを3ヶ月間摂取する群と、炭酸カルシウム1.25g (500mgの元素カルシウムに相当) +ビタミンD3 400IUを同期間摂取する群に分けて、骨代謝への影響について調べました。その結果、カルシウムとビタミンDに加えてコラーゲンペプチドを摂取した群では、骨代謝へのプラスの効果を高めました4)。 コラーゲンペプチドとは? コラーゲンはタンパク質の一種で、私たちの体内に存在するタンパク質の約30%を占めています1)。コラーゲンを加熱すると、コラーゲンの構造が変化してゼラチンになります。ゼラチンをさらに酵素を使って分解したものがコラーゲンペプチドで、コラーゲン加水分解物や加水分解コラーゲン、コラーゲン分解物などとも呼ばれます。一般的にサプリメントなどの機能性食品に含まれている「コラーゲン」とは、このコラーゲンペプチドのことです1)。なお、ペプチドとは、タンパク質を構成する最小単位であるアミノ酸が2個以上つながった物質のことで、アミノ酸が2個の場合はジペプチド、3個の場合はトリペプチドと呼ばれます。 >コラーゲンペプチドとは?機能や体内での働き・おすすめの摂り方 コラーゲンを摂取しても意味がないといわれていた理由 コラーゲンの摂取が注目され始めた2000年ごろは、コラーゲンペプチドのヒト体内への吸収や、吸収されたコラーゲンペプチドの機能に関しての科学的な知見が不足していました。そのため、タンパク質の一種であるコラーゲンは、摂取してもほかのタンパク質と同様に体内では分解されてアミノ酸として吸収されると考えられており、コラーゲンを摂取することもほかのタンパク質を摂取することも同じことだと考えられていました。しかし、その後研究が進み、コラーゲンはすべてアミノ酸に分解されるのではなく、一部はコラーゲンペプチドとして、小腸で吸収され、血液中に移行して、各組織に運ばれることが知られています1)。 コラーゲンを摂りすぎるとどうなる? コラーゲンの摂取源となる食べ物には脂質が多いものもあります。そのため、摂りすぎると脂質の過剰摂取につながる可能性があるため、食べる量には気をつけましょう5)。たんぱく質の摂取を制限されている方は、医師に相談してから摂取しましょう。 コラーゲンを多く含む食べ物 コラーゲンは、魚介類ではフカヒレやうなぎの蒲焼き、はも・さけなどの魚の皮、しらす干しなどに多く含まれます。また、肉類では牛スジや鶏軟骨、豚白モツ、鶏砂肝、鶏手羽元などに多く含まれます5)。 >コラーゲンを多く含む食べ物 食べても意味がないといわれていたコラーゲンですが、研究が進み、健康や美容に役立つ機能を持っていることがわかってきました。コラーゲンを多く含む食べ物を意識しながら、バランスの良い食事を心がけて、健やかな日々に役立てましょう。 監修 認定栄養ケア・ステーション ラシーネ練馬中村橋 管理栄養士 高安 ちえさん 管理栄養士 若林 美幸さん 東京農工大学硬蛋白質利用研究施設編、コラーゲン 基礎から応用.インプレスR&D(2020) Jendricke...

肌だけじゃない!骨や関節にも大切なコラーゲンの秘密

肌だけじゃない!骨や関節にも大切なコラーゲンの秘密 コラーゲンという単語からイメージするものは何でしょう? ツヤツヤ、プルプルしたお肌のために欠かせない成分……とイメージする方も多いかもしれません。もちろん、お肌のハリを保つためにもコラーゲンは大切な役割を果たしています。でも、実はコラーゲンを必要としているのは、お肌だけではありません。膝を曲げ伸ばしするために必要な関節の動きを滑らかにしたり、少々の衝撃では簡単に折れないように骨を丈夫でしなやかにしたり、というような、私たちの健康にとって重要な仕事も、体内のコラーゲンが担っているのです1)2)。 コラーゲンを食べてもコラーゲンは増えない!? コラーゲンとはタンパク質の一種で、私たち人間の体を構成しているタンパク質のうち、およそ30%を占めています。そのうち皮膚には約40%、骨や軟骨には約20%が存在し、その他にも血管や靭帯、内臓など、全身に広く分布しています3) 。そもそもタンパク質とはアミノ酸がたくさん結合してできている巨大な分子ですが、コラーゲンも同様です。コラーゲンは繊維状の分子で、アミノ酸が長く連なったもの3本がらせん状に絡み合ったロープのような構造をしており、これが網目状に張り巡らされて、肌のハリや骨のしなやかさ、関節の動きの滑らかさなどを支えています1)2)。 特に、骨や関節の中に存在するコラーゲンは、外部から与えられる力に抵抗する大切な役割を持っています。靭帯や、背骨の隙間など、様々な場所ではクッションのように働き、私たちの骨を補強してくれています4)。 しかし年齢を重ねると、体内でコラーゲンを作りだす力が衰えて量が減っていきます。また、コラーゲン分子そのものも老化することが知られています。こうしたコラーゲン量の減少や老化によって、骨の強度が低下し、骨粗鬆症や骨折のリスクが高まることが知られています5)。 それでは、普段からフカヒレや鶏皮などコラーゲン豊富な食事を多く摂るようにすれば、減少したコラーゲンを補い、骨を丈夫にすることができるのでしょうか?残念ながら、コラーゲンを摂っても、そのままの形で私たちの骨に取り込まれるわけではありません。消化の過程で分解され、バラバラになった状態で体内に吸収されるので、他のタンパク質を含む食品を食べた場合と特別に何か違った効果が得られるとはいえないと考えられています1)6)。 でも、低分子コラーゲンならコラーゲンを“作る力”を活性化 では、減っていくコラーゲンを効率よく補う方法はないのでしょうか。最近、低分子コラーゲンとも呼ばれるコラーゲンペプチドに注目が集まっています。分子量の大きなコラーゲンを細かく分解し吸収しやすくしたもので、食品素材として使われています7)。 低分子コラーゲンを摂取しても、前述のコラーゲンのようにバラバラに分解されるだけなので特別な効果は期待できないともいわれていましたが、実は最近の研究で、一部の低分子コラーゲンはそのまま吸収される場合があること、コラーゲンを“作る力”を活性化する可能性があることがわかってきました8)。実際に、低分子コラーゲンを摂取することで、関節の状態が改善したというヒト臨床試験の報告も出てきています9)。 コラーゲンをキープして毎日をシャキっと過ごそう 肌のハリだけではなく、健康な骨や関節を支える成分として重要なコラーゲン。その量をできるだけ減らさないためにも、普段からバランスの取れた食生活を心がけることがまずは基本になります。その上で、低分子コラーゲンを摂るようにすれば、より効果的かもしれませんね。いつまでも丈夫な骨と元気な関節で生活するためにも、コラーゲンと上手につきあう毎日、始めてみませんか。 南山堂医学大辞典. 南山堂.(2015) 朝田康夫、美容の医学 美容皮膚科学事典. 中央書院.(2012) 「e-ヘルスネット コラーゲン」(厚生労働省) 竹内修二、カラー図解 人体解剖の基本がわかる事典. 西東社.(2012) 骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン作成委員会、骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版. ライフサイエンス出版株式会社(2015) 川島由起子、カラー図解 栄養学の基本がわかる事典. 西東社.(2013) 佐藤健司、日本抗加齢医学会雑誌. 11(2)81-86(2015) Shigemura Y....