【管理栄養士監修】
コラーゲンと
タンパク質の関係とは?
1日の摂取量に
ついても紹介
コラーゲンとは、タンパク質の一種で人間のからだを構成するタンパク質のうち約30%を占めています。ここではコラーゲンの役割や、タンパク質との関係、推奨されている1日の摂取量について解説します。
コラーゲンとは?
コラーゲンとタンパク質はどう違う?
コラーゲンは、体の細胞や組織を「つなげる」「支える」「外との境界を作る」上で、とても大切な役割を果たしています1)。
また、コラーゲンは、タンパク質の一つです。人の体のおよそ20%はタンパク質でできていて、そのうち約30%をコラーゲンが占めています。特に皮膚に多く、体内のコラーゲンの約40%は皮膚にあり、肌のみずみずしさやハリを保つのに役立っています。次に多いのは骨や軟骨、腱です。ヒアルロン酸の産生をサポートして関節のクッション機能を支えたり、骨の生まれ変わりを助けたりしているといわれています。ほかには血管のしなやかさを保つなどの働きがあります1)。
コラーゲンはどんなタンパク質?
その特徴について解説
コラーゲンは「単純タンパク質」である
いくつものアミノ酸が連なり、それがさらに折りたたまれて立体的な形になったものがタンパク質です。つまり、タンパク質はアミノ酸からできているといえますが、なかにはアミノ酸だけでなく、金属や糖などを含むタンパク質もあります。アミノ酸だけで構成されているものを「単純タンパク質」、アミノ酸とその他の物質で構成されているものを「複合タンパク質」と呼びます。コラーゲンは、単純タンパク質に分類されます2)。
コラーゲンは「繊維状タンパク質」である
タンパク質は、その立体的な形のタイプによって「球状タンパク質」と「繊維状タンパク質」にも分類できます。コラーゲンは、アミノ酸がいくつも連なった鎖3本がらせん状にねじれた形をしており、「繊維状タンパク質」に分類されます1)3)。一般に、球状タンパク質は水に溶けやすいのに対し、繊維状タンパク質は水に溶けにくい特徴があります3)。
コラーゲンの1日の摂取量とは?
コラーゲンの1日の摂取基準というのは定められていませんが4)、コラーゲンペプチドの摂取に関する研究によると、1日5~10gの摂取で肌状態が改善するなどの報告があります1)。一方、「日本人の食事摂取基準(2020年版)」における、たんぱく質の1日の推奨量については、男性では15~64歳であれば65g、65歳以上であれば60g、女性では18歳以上で50gとされています5)。たんぱく質不足にならないバランスの良い食事をこころがけることが大切です。
コラーゲンを含む食べ物
コラーゲンは、肉や魚などの動物性食品に多く含まれます。牛スジや鶏軟骨、フカヒレやうなぎなどは特に豊富に含まれている食材です。ただし、コラーゲンの摂取源となる食材は高脂質のものも多いため6)、脂質の摂り過ぎによるカロリーオーバーやコレステロール値の上昇には気をつけましょう。
>コラーゲンを多く含む食べ物
コラーゲンは、タンパク質の一種であり、私たちのからだをつくるのに欠かせない成分です。タンパク質不足や脂質の過剰摂取に注意しつつ、日々の食事にコラーゲンを含む食べ物を取り入れてみるとよいでしょう。
- 監修
- 認定栄養ケア・ステーション ラシーネ練馬中村橋
- 管理栄養士 高安 ちえさん
- 管理栄養士 若林 美幸さん