高齢者の食事におけるビタミン・ミネラルの重要性
2019.4.5
高齢者にもビタミン・ミネラルは大切な栄養素
ビタミンには、ほかの栄養素の働きを助ける働きがあり、ミネラルには、体のさまざまな機能を維持・調整する働きがあります1)。どちらも体をスムーズに動かすために欠かせない栄養素ですが、体内では作ることができないため、食事によって摂取する必要があります1)。
ビタミンやミネラルには多くの種類があるため、様々な食品を取り入れた食事をすることが大切です1)。ビタミンやミネラルが不足すると、「欠乏症」として様々なトラブルが起こります1)。
例えば、ビタミンB6やビタミンC、鉄などが不足すると貧血になりやすく、ビタミンDやカルシウムなどが不足すると、高齢者に多い骨粗鬆症になりやすくなります1)2)。
一方で、ビタミンの中でも脂溶性ビタミンは体内に蓄積されやすく、摂りすぎると過剰症を起こす可能性も。ふつうに食事から摂る分にはまず問題ありませんが2)、サプリメントなどの健康食品で摂りすぎないように注意が必要です1)。
ビタミン・ミネラルを多く含む食品を摂りましょう
ビタミンやミネラルを多く含む食品として、緑黄色野菜や淡色野菜、果物などが挙げられます1)。乳製品や小魚・海藻類、豆・大豆製品なども積極的に摂ることが大切です1)。
例えば、具だくさんの豚汁やシチューなどの煮込み料理では、一度にさまざまな野菜を多く摂ることができます1)。野菜を炒めてとろみをつけたあんかけご飯にしたり、ゆでた野菜をゼリー寄せにしたりしても、食べやすいでしょう3)。
野菜サラダにチーズや小魚、桜えびなどをプラスしたり1)、おやつに果物を入れたゼリーやヨーグルトなどを食べたりするのもおすすめです3)。
毎日の食事に、少しの意識と工夫を加えることで、いつまでも元気な体を保てるといいですね。
1. 中村育子.知っておきたい高齢者の食と栄養.社会保険福祉協会.(2018)
2. 日本人の食事摂取基準(2015年版)
3. 藤島一郎.嚥下障害のことがよくわかる本.講談社.(2014)