プラントベースフードが
注目されている理由
近年、よく耳にするようになった「プラントベース」という言葉。
なぜいまプラントベースフードが注目されているのでしょうか?
また、プラントベースフードとはどんなものを指すのでしょうか?
目次
プラントベースフードとは
「プラントベースフード」は、近年多様化している消費者の嗜好に合わせ、動物性の原材料の代わりに植物性原材料を使って、肉や海産物に似せて作られた食品です。
プラントベースフードが注目される理由
2017年の海外の調査によると、世界で最大30%の消費者が肉食を減らすか、全く食べない食生活への意向があるという結果が出ています※1。植物性食品への需要が高まったことで、プラントベースの食品も注目されるようになってきました。
また、動物性食品全般や、牛、豚など特定の動物食をなるべく避けたい人々や、アレルギー*により乳製品や卵、甲殻類を避けなければならない人々も大勢います。そうした多様化の時代に、多様な食生活を尊重し、選択肢を増やせる可能性のあるメニューのひとつとして、先進国を中心にプラントベースフードへの注目度は近年ますます高まっています。
*プラントベースフードにもアレルゲンは含まれている可能性はあります。必ずアレルゲン表記をご確認の上お召し上がりください。
さらに、人口増加とそれに伴うタンパク質の供給不足の問題があります。世界の人口は2019年の77億人から2030年の85億人(10%増)へ、さらに2050年には97億人(同26%)、2100年には109億人(42%)へと増えることが予測され※2、それに伴い、深刻なたんぱく質の供給源不足が懸念されています。特に大幅な人口増加と食糧危機が予想されているのはインド、ナイジェリア、パキスタン、コンゴ民主共和国、エチオピア、タンザニア連合共和国、インドネシア、エジプト、米国(予測される人口増が多い順)の9カ国であり※3、それらの国での食の多様性も踏まえて、世界中の先進企業が効率的にたんぱく質が摂取できるプラントベースフードフードの開発に乗り出したのです。
プラントベースフードの種類
植物性素材を主原料として作られている食品はいろいろあります。例えば、単純にサラダや煮物など野菜や穀物、豆類などの植物性素材だけで作った料理や、豆腐やこんにゃく、煎餅や納豆なども植物性素材を主原料として作られた食品です。
その中で、「プラントベースフード」として注目されているのは“本来は動物性原料を使って作られていた食品の原料を植物性原料に置き換えて似せて作ったもの”です。大豆やえんどう豆など豆類の植物性たんぱく質や小麦のグルテン、脂質などを使い、肉料理のように味わえるように加工した代替肉や、動物性乳製品を使わず、大豆、アーモンド、オーツ麦、ココナツなどで作った植物性のミルク、チーズやクリームの代替品、それらを使った料理やお菓子、調味ベース、さらには代替卵や代替魚なども開発されています。また、プラントベースプロテインやプラントベースプロテインバーなどの栄養補助食品の中には、様々な植物性原料を加工して、普段の野菜料理では摂るのが難しい栄養素をバランスよく配合したものもあります※4。
また、最近ではレストランやファストフードでもプラントベースフードのメニューを開発しているほか、プラントベースフードオンリーの飲食店も多く見られるようになってきました。プラントベースミートやプラントベースエッグなど、最先端のプラントベースフードがプロの技術と発想でどんな料理になるかを気軽に体験できる場として人気です。中には使用しているプラントベースフードを紹介しているお店もあるので、家庭料理の参考にもなるかもしれませんね。
プラントベースフード摂取時の注意点
プラントベースフード中心の食生活を送るにあたり、いちばん気をつけたいのが栄養のバランスです。植物からでは摂れない、あるいは不足しがちな栄養素もあります。プラントベース中心の食生活を送る場合は、プロテインやサプリメントなどの栄養補助食品も取り入れるなどの工夫が必要です。
まとめ
なぜ、今プラントベースフードが注目されているのか? ということをイメージしながら、新しい食のトレンドとしてプラントベース製品を選んでみてはいかがでしょうか。
参考文献
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※1 :NESTLE.com “Embracing plant-based” 2023
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※2、3:国際連合広報センター “世界人口推計2019年版:要旨 10の主要な調査結果(日本語訳)” 2019
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※4:ネスレ日本 “地球がよりプラントベースになるために” 2023