高齢者はどのような栄養不足に気をつけるべきか。
この記事は約4分で読める栄養補助食品の記事です。
医療・介護現場などで高齢者に栄養補助食品が採用されるのは、高齢者が栄養不足(低栄養)になりやすいという事実がある為です。そのリスクと対策について解説します。
高齢者はどのような栄養不足に気をつけるべきか。
高齢になるにしたがってカラダの機能が衰えると、必要な栄養素が不足して低栄養状態におちいりがちです。 胃腸が弱って消化・吸収する力が衰えたり、味覚や嗅覚などが変わって食事をおいしく感じにくくなったり、また一人暮らしで一緒に食事する人がいなかったりすると、食が細くなり、1日に必要なエネルギー量の不足に繋がりやすくなる可能性があります。家にこもりがちになり日常の運動量が減ることも、食事量の低下、タンパク質の不足にもつながります12。
また入れ歯が合わなかったり、飲み込む力やかむ力が低下したりすると、硬いものを食べるのを避けるようになり、肉類や野菜などの摂取量が減り、タンパク質、ビタミンやミネラル類、食物繊維の不足に繋がりやすくなります。軟らかい菓子パンなどの特定の食材でおなかを満たしてしまうと、栄養バランスはますます偏ります12。
このような栄養不足が進み、筋肉量や筋力、歩く速度、握力などが低下してくると、活力を持って毎日を過ごすのが難しくなり、転んで骨折するリスクも高まります。そしてますます食も細くなり、心身ともに弱った状態におちいるというサイクルになりかねません23。 高齢になると、病後の回復も遅くなります。普段から運動や栄養をしっかり摂っていないと、カラダの機能はさらに低下し、元の日常生活に戻れなくなる可能性もあります4。
栄養不足にならない為にできること
筋力低下への対策には、筋肉を維持するための運動を行い、そして栄養、特にタンパク質をきちんと摂取するのがおすすめです。3。毎日の食事で魚、肉、卵、豆といったタンパク質を含む食品をバランスよく食べるようにしましょう1。
ご本人の毎日の活動量にもよりますが、高齢者の多くは1日に体重1㎏あたり1.0g以上のタンパク質、約30kcalのエネルギー量を必要とします2。 また、ビタミンなどの微量栄養素、食物繊維も積極的に摂取するとよいでしょう14。
高齢者におすすめの栄養補助食品は?
食事からだけでは必要な栄養が十分に摂れないときは、手軽に不足しがちな栄養を補える栄養補助食品も上手に利用するとよいでしょう。市販の栄養補助食品をデザートや間食などに取り入れると、たくさん食べられない方や、硬いものがかめない方でも、無理せず栄養の摂取量を増やすことができます14。
例えば、次のような特徴を備えているものを選ぶとよいでしょう。
- a.少量であること…量が多いと一度に摂取できず、それによる栄養不足を無くす為
- b.高カロリー…少量で効率よくカロリー摂取が可能
- c.高タンパク…筋肉量を落とさないためタンパク質を効率よく補う※
- d.ビタミン・ミネラル配合…不足しがちな微量栄養素を補う
- e.食物繊維配合…不足しがちな食物繊維を補う
- f.なめらかで飲み込みやすいこと…かむ力や飲み込む力を考慮し、均質なゼリーなどの製品を選択5
- g.飽きのこない味…味のバリエーションが多いものは飽きずに食べられます
※腎疾患(たんぱく質制限)の方はご留意ください。
以上のことを考えながら栄養補助食品を選び、日々の食生活に取り入れましょう。栄養不足による悪循環に対して、かしこく、美味しく対策をとりましょう。
※栄養補助食品は、疾病の診断、治療、予防を目的としたものではありません。
栄養なび
【栄養・介護】に関する
お悩み解決サイト
ネスレ ヘルスサイエンス「栄養なび」は、「栄養療法」の観点から、在宅で介護をされている方に役立つ、さまざまな栄養情報を発信しています。
皆さまのお悩みを解決できるよう、私たちだからこそお伝えできる厳選された価値あるコンテンツによって、ご支援できればと考えております。