高齢者に大切な栄養はこれ!
簡単に栄養を摂取
する方法とは?
高齢者に不足しがちな栄養を効率良く摂る方法と摂りたい栄養(特にエネルギーとたんぱく質)についてご紹介します。加齢に伴い食が細くなることも。高齢者に必要な栄養と1日の摂取目安を知って食生活を改善しましょう。
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高齢者に不足しがちな
栄養を摂る方法は?
高齢になると、食欲や飲み込む力の低下、栄養素の吸収機能の低下などさまざまな原因により、栄養不足の状態になりやすくなります1)。
必要な栄養素を摂取するためにまずは、ごはん・パン・麺類などの「主食」、肉・魚・卵・大豆製品などを主材料とする「主菜」、野菜・いも・海藻・きのこなどを主材料とする「副菜」をバランス良く組み合わせた食事を1日3食摂るように心がけましょう。1食で食べられる量が少なかったとしても、献立を工夫すると1日に必要な栄養素を摂取することができます2)4)。
1日3食の食事で必要な栄養素を摂ることが難しい場合は、午前10時と午後3時など2回ほどの間食を摂るようにするのもおすすめです。アイスクリームやプリン、プロセスチーズなどは、食欲がないときでも食べやすく、少量でエネルギーやたんぱく質がしっかり摂れる食品です2)。
無理に食べようとすると、食事自体が嫌になってしまうこともありますので、食べられるタイミングで食べられるものから必要な栄養素を摂取するようにしましょう2)4)。
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高齢者に大事な栄養は
エネルギーとたんぱく質
エネルギーやたんぱく質は、からだが生命活動を維持するのに必要ですが、高齢者では不足しがちになりますので、毎日の食事からしっかりと摂取することが大切です2)4)。食事から必要量を摂取することが難しい場合には、栄養補助食品を利用するのもおすすめです5)6)。液体に溶かして一緒に飲んだりする粉末状、錠剤やカプセル(サプリメント)、ゼリー、飲料、お菓子などのさまざまな種類の栄養補助食品が市販されていますので、無理なく食べられるものを取り入れてみましょう7)。
「エネルギー」を多く摂れる
組み合わせ
1日に必要なエネルギー量は、65~74歳のふつうの活動量の男性では2,400kcal、女性では1,850kcalが目安です。75歳以上で自立して生活している場合は、男性で2,100kcal、女性で1,650kcalといわれています8)。
1日に必要なエネルギーをしっかり摂るには、パンや麺、ごはんの「主食」だけではなく、毎食に「主菜」「副菜」にあたるおかずを取り入れることがポイントです。少量しか食べられない場合は、エネルギー源として効率の良い、バターやマヨネーズ、クリームチーズ、生クリームなど脂質の多い食品を取り入れた献立にするとよいでしょう4)。
「たんぱく質」を多く含んだ
おすすめの食材
たんぱく質は、あじやさけなどの魚、牛肉や鶏肉などの肉、納豆、卵などの食材に多く含まれます10)。食べられる量が少ない高齢者の場合、1回の食事で1日に必要なたんぱく質を摂ることが難しいので、これらの食材を毎食の献立に加えるようにします。例えば、朝食にゆで卵をプラスしたり、麺類には肉や魚を入れるようにしたりして、無理なくたんぱく質を摂取できるとよいでしょう4)。
>たんぱく質不足についてはこちら
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高齢者に必要な
1日の栄養摂取目安
1日に必要な栄養素の摂取量は、性別や年齢などごとに定められています8)。エネルギーやたんぱく質はもちろん、ビタミンや亜鉛、カルシウム、鉄、銅、マグネシウムなどのミネラルも健康を維持するために重要な働きがあるので、必要な量を摂取することが大切です4)8)。
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男性 |
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女性 |
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※レチノール活性当量
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栄養が不足すると出てくる
リスクとは?
健康なからだを維持するために必要な栄養素が不足している「低栄養」の状態になると、筋肉量が減って、筋力やからだの機能が低下しやすくなります2)3)。さらに皮膚や筋肉の組織の耐久性が低下して床ずれが起きやすくなることもあります2)。
また、筋力やからだの機能が低下すると、活動量が減るため、エネルギーの消費量が減少します。その結果、食欲が低下して、さらに栄養不足の状態を促進してしまう悪循環に陥ってしまうこともあります2)。低栄養の状態にならないために、毎日の食事量や栄養バランスを見直して、不十分な場合は少しでも早めに改善することが大切です。
>低栄養についてはこちら