【簡単】
ロコモティブ
シンドローム対策と
原因・確認方法
ロコモティブシンドロームの対策のポイントは、早い時期からの運動習慣や、栄養バランスの取れた食事によって、健康を維持し続けることです。また、骨や筋肉を強くすることも大切です。ここでは、具体的な対策法や意識すべき生活のポイントを幅広く解説します。
1
ロコモ対策と
「ロコモティブシンドローム」とは?
「ロコモ」の略称で知られる「ロコモティブシンドローム」とは、運動器の障害のために移動機能の低下をきたした状態のことを指します。つまり、立ったり歩いたりする身体能力が低下した状態のことです1)2)3)。
ロコモになるとどうなる?
ロコモが進行すると、身体能力の低下が自覚症状を伴って顕著になった「身体的フレイル」という状態に至り1)、要介護となるリスクが高まります1)2)3)。
>フレイルとは?
ロコモは、加齢による運動機能の低下などによって進行します1)。これらの要因のなかでも、筋肉が減ってからだの機能が低下した状態である「サルコペニア」は、特に注意が必要なひとつです2)。ロコモ対策には、運動器の機能を維持・改善するためのトレーニング、栄養状態の改善や、生活習慣病対策など、適切な対処が必要です1)。
>サルコペニアとは?
2
対策① 運動で対策
ロコモ対策には、息が弾んで汗をかく程度の運動を30分以上、週2回が目安です。家で簡単にできるおすすめの「ロコトレ(ロコモーショントレーニング)」は、「スクワット」と「片脚立ち」を紹介します1)。
1日10分
「スクワット」と「片脚立ち」1)
スクワットや片脚立ちは、無理をせずに自分のペースで続けることが大切です。
スクワット | 片脚立ち | |
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方法 |
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回数の目安 |
5~6回1セットを1日3セット。 楽にできる人は、回数やセット数を増やしてもOK。 |
左右1分間ずつの1セットを 1日3セット。 |
ポイント | スクワット中は、息を止めないこと、膝を90度以上に曲げないことを意識する。スクワットができない場合は、椅子に座り、机に手をついて、立ったり座ったりの動作を繰り返してもOK。 | 姿勢はまっすぐに。支えが必要な人は十分注意して、机に手や指をついて行う。 |
スクワット | |
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方法 |
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回数の目安 |
5~6回1セットを1日3セット。 楽にできる人は、回数やセット数を増やしてもOK。 |
ポイント | スクワット中は、息を止めないこと、膝を90度以上に曲げないことを意識する。スクワットができない場合は、椅子に座り、机に手をついて、立ったり座ったりの動作を繰り返してもOK。 |
片脚立ち | |
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方法 |
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回数の目安 |
左右1分間ずつの1セットを 1日3セット。 |
ポイント | 姿勢はまっすぐに。支えが必要な人は十分注意して、机に手や指をついて行う。 |
膝や腰が
気になる人向けの体操1)
ゆっくりとした動作で行うことがポイントです。
腰痛におすすめ | 膝痛におすすめ | ||
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背筋体操 | 腹筋体操 | 大腿四頭筋訓練 | |
方法 |
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回数の目安 | 10回1セットを 1日3セット。 |
10回1セットを 1日3セット。 |
左右各10回の 1セットを1日3セット。 |
腰痛におすすめ | ||
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背筋体操 | 腹筋体操 | |
方法 |
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回数の目安 | 10回1セットを 1日3セット。 |
10回1セットを 1日3セット。 |
膝痛におすすめ | |
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大腿四頭筋訓練 | |
方法 |
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回数の目安 | 左右各10回の 1セットを1日3セット。 |
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対策② 食事で対策
骨がもろくなる骨粗しょう症や、筋肉量が減ってからだの機能が低下するサルコペニアなどは、ロコモと深くかかわっており、ロコモが進行する原因にもなります。ロコモ対策には、骨や筋肉のもととなる栄養素を意識しながら1)3)、いろいろな食品を毎日バランス良く食べることが大切です1)。
丈夫な骨をつくる食材と栄養素
丈夫な骨の維持には、カルシウムだけでなく、たんぱく質、ビタミンD、ビタミンKが必要です。そのほかにも、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、マグネシウムもしっかり摂る必要があります1)3)。
重要な栄養素を多く含む食品の例1)3)
カルシウム | 牛乳・乳製品、骨ごと食べられる魚、大豆製品、小松菜や大根の葉などの野菜 |
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たんぱく質 | 肉類、魚介類、大豆製品、卵、牛乳・乳製品 |
ビタミンD | 魚類、卵黄、きのこ類 |
ビタミンK | 葉物野菜、納豆 |
ビタミンB6 | レバー、鶏肉、かつおやまぐろなどの魚類 |
ビタミンB12 | レバー、さんまやあさりなどの魚介類 |
葉酸 | ほうれん草や春菊などの野菜、いちご、レバー |
マグネシウム | 大豆製品、海藻、魚介類 |
筋肉をつくる食材と栄養素
筋肉のもとになる栄養素であるたんぱく質1)と、摂取したたんぱく質を代謝するために必要なビタミンB6や、筋力の維持にかかわるビタミンDの摂取が重要です4)。また、エネルギーが不足すると、からだが筋肉のたんぱく質を使ってエネルギーを作り出そうとしてやせて筋肉が減ってしまうため1)、丈夫な筋肉を保つためにはエネルギーのもととなる脂質や炭水化物の十分な摂取も必要です1)。
重要な栄養素を多く含む食品の例1)3)5)
たんぱく質 | 肉類、魚介類、大豆製品、卵、牛乳・乳製品 |
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ビタミンD | 魚類、卵黄、きのこ類 |
ビタミンB6 | レバー、鶏肉、かつおやまぐろなどの魚類 |
炭水化物 | 米やパンなどの穀類、根菜類、果物 |
脂質 | 油脂類、脂肪分の多い肉類や魚類、生クリームやチーズなどの乳製品 |
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ロコモの原因と
発生しやすい年齢
ロコモは、加齢による運動機能の低下などが原因で進行します1)3)。
加齢による運動機能の低下とは、具体的に、筋力やバランス能力、柔軟性の低下などを指し1)、なかでもロコモの原因として特に注意したいのが筋力の低下です2)。運動不足、偏った食生活や食欲減少によるたんぱく質やエネルギーなどの摂取不足6)は、筋力の減少を招き、ロコモにつながります2)。
体力は、年齢より運動習慣に大きく影響されるため個人差が大きく、加齢による筋肉の減少の程度も個人差が大きいです1)。
ロコモ対策には、筋肉と骨を保つ十分な栄養摂取と運動を続けることが大切です。
いつまでも元気に歩くためしっかりと対策をしましょう。