コラーゲンの種類
とは?
特徴や役割と原料の
違い
コラーゲンはタンパク質の一種です。体内のあらゆる組織に分布していて、皮膚や関節をはじめ、骨や目の角膜等を構成する成分としても知られています。
コラーゲンの種類ごとの
特徴と役割
コラーゲンは、あらゆる臓器や組織に存在しますが、存在する部位によって種類が異なります1)。コラーゲンは29種類発見されており2)、発見された順にローマ数字でI型コラーゲン、II型コラーゲンと呼ばれています1)。さらに、分子の構造、機能、複数のコラーゲン分子が組み合わさったときの形などから、いくつかのタイプに分類されます。線維や網目状の構造を作ったり、線維や細胞膜をくっつけたりするものなど、体内のさまざまな構造や機能に関わっています1)。
種類 | タイプ | 特徴 |
---|---|---|
I型 | 線維性 | 真皮や、骨、腱、じん帯に含まれる。脊椎動物で最も豊富に存在するコラーゲン。肌に最も多く存在するタンパク質で、肌の弾力性やハリに関わっている。 |
II型 | 線維性 | 軟骨、硝子体に含まれる。 |
III型 | 線維性 | 肌、血管、腸、筋肉に含まれる。 |
IV型 | 膜型 | 基底膜に含まれる。 |
V型 | 線維性 | 骨、真皮、角膜、胎盤に含まれる。 |
皮膚には多くの種類のコラーゲンが存在し、皮膚の構造や機能に関わっています。加齢や紫外線により、皮膚のコラーゲンが少なくなると、皮膚のハリが失われてしまいます。肌のコラーゲンを良好に保つことにより、肌のうるおいを保ち、しわ・シミができにくい肌になります1)。
コラーゲンサプリメントなどの
原料別の特徴
コラーゲンサプリメントなどのコラーゲン製品の原料として利用されているものにはタラ、サケなどの魚の皮や鱗、牛の皮や骨、豚の皮、鶏の軟骨などがあります1)。ここでは、魚由来と動物由来のコラーゲンの特徴を説明します。
魚由来コラーゲンの特徴
魚類の主なコラーゲンはI型コラーゲンで、V型コラーゲンも多く含まれます。
魚由来コラーゲンを抽出するための原料は、魚を加工した際に生じる骨や皮が用いられており、酵素などで低分子化したコラーゲンペプチドとして製品化されています1)。用いる原料や加工方法によっては、より低分子のコラーゲンペプチドが得られます5)。
原料の魚が新鮮でなかったり、脂分が多く含まれる魚皮から十分に脂分を取り除けていなかったりすると、においのある製品になることがあります1)。
動物由来コラーゲンの特徴
工業的に国内で利用されているのは、牛の皮や骨、豚の皮、鶏の軟骨や足です。牛や豚などの哺乳動物から抽出されるコラーゲンは、ヒトのコラーゲンと性質が似通っていることが知られています。また、アレルギーを引き起こしにくかったり、低アレルゲン性や生体適合性が高かったりする特徴があります。
原料となる動物の部位によって、得られるコラーゲンの種類は異なります。例えば、I型コラーゲンはさまざまな部位から得られますが、II型は軟骨から、III型は皮膚や血管から得られます。また、魚由来コラーゲンと同様に、除ききれなかった脂肪が製品のにおいのもととなるため、きちんと脂肪分を取り除けるかが製品の質を左右します1)。
コラーゲンは食品から摂取できる?
コラーゲンは、肉や魚など動物性の食品に多く含まれています1)6)。肉では内臓やスジに多く含まれているので、牛スジ、鶏軟骨、豚白モツ、鶏砂肝、鶏手羽元などがおすすめです。魚介類では、フカヒレ、うなぎ、ハモなどが代表的ですが、コラーゲンは魚の皮にも多く含まれるため、ほかの魚介類であっても皮ごと食べられるサンマやサケ、小魚のしらすなどはコラーゲンを摂りやすい食品といえます。また、調味料では、鶏がらスープの素にコラーゲンが多く含まれます6)。
コラーゲンペプチドの摂取に関する研究によると、コラーゲンは1日5~10gの摂取で肌状態の改善などの報告があります7)。日本人成人女性が食事から摂取しているコラーゲンの量は一日当たり平均1.9gで、コラーゲン含量の高い食材の摂取頻度は低い状況です6)。食品から十分なコラーゲンを摂取するためには、コラーゲンを豊富に含む食品を多く食べるという方法もよいでしょう6)。ただし、これらの食品には脂質を多く含むものもあるため6)、カロリーオーバーになりやすい点に注意が必要です。カロリーを気にせずコラーゲン成分を効率的に摂取したい場合には、脂質がほとんど含まれないコラーゲンペプチドサプリメントなどを活用する方法もあります1)。
肌だけでなく、からだのさまざまな部位で重要な役割を果たしているコラーゲン。健康なからだを維持するためにも、不足することがないようにしっかり補給しましょう。