ビタミンEとは?
主な働きと
1日の摂取量・
豊富な食品を紹介

ビタミンEは脂溶性ビタミンの一種で抗酸化作用を有する栄養素です。ビタミンEは通常の食生活をしていれば過剰・不足することはほとんどありませんが、欠乏すると貧血などを引き起こすことがわかっています。ここでは、ビタミンEの働きやビタミンEを多く含む食品、効率的に摂取する調理法をご紹介します。

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ビタミンEとは?
ビタミンEの主な役割と働き

ビタミンEとは、脂溶性ビタミンの一種で抗酸化作用をもつ栄養素です1)。水に溶けない性質をもち、摂取すると主に脂肪組織や肝臓に貯蔵されます2)
また、ビタミンEとは4種類のトコフェロールと4種類のトコトリエノールの総称で、これら8種類の化合物はその構造の違いによりα-、β-、γ-、およびδ-がついた名称でよばれています3)。からだの中のビタミンEの大部分はα-トコフェロールで、厚生労働省が定める日本人の食事摂取基準ではビタミンEの摂取量はα-トコフェロールの値で示されています1)3)

ビタミンEの働き

ビタミンEは抗酸化物質として、私たちの健康を維持するために重要な役割を担っています。生命活動の過程で、私たちの体内には活性酸素とよばれる物質が生じます。活性酸素は、過剰に産生されると細胞にダメージを与える要因となります2)。ビタミンEなどの抗酸化物質は、活性酸素の産生や働きを抑制したり、活性酸素を取り除いたりする働きをもっています2)
ビタミンEは抗酸化作用によって、多価不飽和脂肪酸や膜たんぱく質などの酸化を防止しています1)。血中ではビタミンEがLDLコレステロールの酸化を防ぐことで血管の健康を維持していると考えられています4)

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ビタミンEを多く含む食べ物

ビタミンEはナッツや緑黄色野菜などの植物性食品、魚などの動物性食品に多く含まれています5)6)7)

ビタミンEが多い種実類(ナッツ)・豆類

種実類ではアーモンドやヘーゼルナッツなどにビタミンEが多く含まれています7)。また、豆乳やがんもどきといった大豆製品もビタミンEが豊富な食材です7)。ナッツや豆乳はコンビニなどでも手に入りやすく、間食としてもおすすめです。

ビタミンEが多い種実類(ナッツ)・豆類

1食あたりのビタミンE含有量(㎎)

  • 0
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • アーモンド・いり無塩(15g)
  • ヘーゼルナッツ・フライ味付け(15g)
  • ひまわりの種・フライ味付け(15g)
  • まつの実・いり(15g)
  • 落花生・いり(15g)

1食あたりのビタミンE含有量(㎎)

  • 0
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 調製豆乳(200g)
  • がんもどき(100g)
  • 生揚げ(75g)
  • 黄色大豆・ゆで(40g)
  • 納豆(40g)
  • 木綿豆腐(100g)
  • 絹ごし豆腐(100g)

ビタミンEが多い魚介類

魚類では子持ちがれいやはまち、ぎんだら、さばなどがビタミンEを豊富に含んでいます5)6)7)。特にさばやいわしの缶詰は調理せずに食べることができるため、忙しくて時間のない方にもおすすめの食材です。

ビタミンEが多い魚介類

1食あたりのビタミンE含有量(㎎)

  • 0
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 子持ちがれい・水煮(100g)
  • うなぎ・かば焼き(80g)
  • はまち・生(80g)
  • いわし缶詰・油漬(40g)
  • ぎんだら・生(70g)
  • さば缶詰・みそ煮(90g)
  • たらこ・生(40g)
  • いくら・(20g)
  • さんま缶詰・かば焼き(50g)
  • サーモン・生(70g)

ビタミンEが多い野菜

野菜では主に緑黄色野菜に多く含まれています。西洋かぼちゃやほうれん草、モロヘイヤなどに含まれています5)6)7)

ビタミンEが多い野菜

1食あたりのビタミンE含有量(㎎)

  • 0
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 西洋かぼちゃ・ゆで(100g)
  • モロヘイヤ・ゆで(50g)
  • ドライトマト(15g)
  • たまねぎ・油いため(50g)
  • ほうれん草・ゆで(80g)
  • 赤ピーマン・油いため(30g)
  • ブロッコリー・ゆで(50g)
  • なす・油いため(100g)

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ビタミンEが不足するとどうなる?

通常の食事を摂取していれば、ビタミンEが欠乏することはありません。一方で低出生体重児や脂肪吸収障害がある場合には、ビタミンEが不足すると溶血性貧血や神経障害などがあらわれるとされています1)3)

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ビタミンEを
過剰摂取するとどうなる?

ビタミンEを過剰摂取すると、出血傾向が高まることが知られています5)。ただ、通常の食事をしていれば、過剰摂取の心配は必要ありません3)

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【年齢・男女別】
1日に必要なビタミンEの目安量

ビタミンEに対しては、日本人の摂取量をもとに1日の摂取目安量が設定されています。ご自身の年齢や性別に応じたビタミンEの目安量を確認してみましょう3)。また、ビタミンEの過剰摂取による健康障害を予防する観点から、日常的な摂取量の上限として、耐容上限量も設定されています3)

1日あたりのビタミンEの摂取基準3)
男性 女性
目安量 耐容上限量 目安量 耐容上限量
0〜5ヶ月 3.0mg - 3.0mg -
6〜11ヶ月 4.0mg - 4.0mg -
1~2歳 3.0mg 150mg 3.0mg 150mg
3~5歳 4.0mg 200mg 4.0mg 200mg
6~7歳 5.0mg 300mg 5.0mg 300mg
8~9歳 5.0mg 350mg 5.0mg 350mg
10~11歳 5.5mg 450mg 5.5mg 450mg
12~14歳 6.5mg 650mg 6.0mg 600mg
15~17歳 7.0mg 750mg 5.5mg 650mg
18~29歳 6.0mg 850mg 5.0mg 650mg
30~49歳 6.0mg 900mg 5.5mg 700mg
50~64歳 7.0mg 850mg 6.0mg 700mg
65~74歳 7.0mg 850mg 6.5mg 650mg
75歳以上 6.5mg 750mg 6.5mg 650mg
妊婦 6.5mg -
授乳婦 7.0mg -

※α-トコフェロールについて算定。α-トコフェロール以外のビタミンE は含んでいない。

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ビタミンEを
効率よく摂取するポイント

ビタミンEは脂質に溶ける性質があることから、食事由来の脂質と一緒に血液中に運ばれます。そのため、油と一緒に摂取するとからだへの吸収率が高まることがわかっています8)。ビタミンEを含む食品は、炒め物や揚げ物など油を使って調理するとよいでしょう。また、ビタミンE自体が非常に酸化されやすい性質をもっているため9)、できるだけ加工工程が少なく、素材を生かした食べ方がおすすめです。