ビタミンB₂とは?
主な働きと
多く含む食べ物・
不足するとどうなる?
ビタミンB₂とは、水に溶けやすい水溶性ビタミンの一種で主に皮膚や髪の健康維持を助ける働きをします。レバーやうなぎ、卵に多く含まれています。ここでは、ビタミンB₂の働き、多く含む食べ物や1日の必要量などを解説します。
1
ビタミンB₂とは?
ビタミンB₂の主な役割と働き
ビタミンB₂は、水溶性のビタミンで、リボフラビンとも呼ばれます1)2)3)。糖質や脂質、たんぱく質の代謝に関わる補酵素として働く栄養素で、皮膚や髪の健康維持に欠かせません1)2)3)。食事から摂取したビタミンB₂は、小腸で分解されリボフラビンとなり吸収されます3)。また、大腸の腸内細菌の働きによってもリボフラビンが作られます3)。リボフラビンは体内で一定の量が保たれ、過剰に摂取した分は尿や便として、排出されます3)。リボフラビンは黄色いため、過剰に摂取すると、尿が黄色やオレンジ色っぽくなります3)。
ビタミンB₂の働き
ビタミンB₂は、皮膚や髪の健康を保ち、口や目の粘膜を守る働きをします4)。また、食事から摂取した脂質や糖質をエネルギーにかえる際に、その反応を助ける補酵素として働きます2)。さらに成長ホルモンの合成にも関与するほか2)、老化の一因となる過酸化脂質を分解する役割を持ちます4)。
2
ビタミンB₂を多く含む食べ物一覧
ビタミンB₂は、レバーやうなぎ、乳製品、卵、肉、魚、アーモンドなどに豊富に含まれます5)。また、のりや乾燥わかめ、魚卵や魚の乾物、干しシイタケなどにも多く含まれますが、1食あたりに食べる量を考慮すると、それほど多くはありません5)。
さばの缶詰や納豆、チーズ、アーモンド、バナナや冷凍マンゴー、ブロッコリーや卵を使用したスープ類やサラダは、スーパーやコンビニで手に入りやすく、手間なく食べられるのでおすすめです。また、自分で調理するときにも、アーモンド、チーズ、アボカドなどをサラダのトッピングにする、魚の缶詰をカレー、トマト煮などの煮込み料理にアレンジする、混ぜご飯にするなど、活用することもできます。毎日の食事に取り入れてみるとよいでしょう。
野菜類に含まれるビタミンB₂
ビタミンB₂は野菜の中ではブロッコリーやモロヘイヤなどに多く含まれます5)。ビタミンB₂は水溶性ビタミンのため、ゆでるとビタミンB₂がゆで汁に溶け出してしまいます5)。そのため調理の際は、スープなどにしてゆで汁も摂取できるようにするほか、焼く、炒める、電子レンジを使用するのがおすすめです。しそやバジルはジェノベーゼソースにすると、生のままたくさん摂取できます。
きのこ類に含まれるビタミンB₂
きのこ類もビタミンB₂が多く含まれる食材です5)。スープやみそ汁でゆで汁ごと摂れるようにするほか、油で炒めたり、焼いたりして食べると良いでしょう。
果物に含まれるビタミンB₂5)
果物に含まれるビタミンB₂はそれほど多くありませんが、アボカドは比較的多くのビタミンB₂を含んでいます。また、なじみのある果物の中では、柑橘類に多く含まれている傾向があります。
ビタミンB₂を含む飲み物5)
牛乳にはビタミンB₂が多く含まれます。また玉露、柑橘類のジュース、豆乳などもビタミンB₂を含む飲み物です。ジュースを選ぶ際には、ストレートや果汁100%のものをなるべく選ぶようにしましょう。また、糖分等の取りすぎにならないよう、飲み過ぎには注意が必要です。
ビタミンB₆と一緒に摂取する6)
ビタミンB₆は、たんぱく質代謝に重要な役割を担うビタミンです。肌の新陳代謝にも関与しているので、細胞の再生をサポートするビタミンB₂と一緒に摂るとよいでしょう。
3
ビタミンB₂が
不足・過剰摂取するとどうなる?
ビタミンB₂が不足するとどうなる?1)2)3)
ビタミンB₂は肌や髪、粘膜を保護する働きがあるため、不足すると肌荒れや口内炎につながることがあります。
過剰摂取した場合は? リスクはある?1)
ビタミンB₂を100gあたり1mg以上含む通常の食品はレバーを除くと存在しません。そのため、普通の食生活をしていれば過剰摂取の心配はまず必要ないと言えるでしょう。また、ビタミンB₂は水溶性ビタミンのため、過剰に摂取しても尿や便として排出されやすいという特徴があります。
4
【男女・年齢別】
1日に必要なビタミンB₂の量1)
ビタミンB₂の1日あたりの推定平均必要量や推奨量は、年齢・性別ごとに設定されています。推定平均必要量と推奨量は、ビタミンB₂の欠乏症を予防する観点から設定されている基準です。摂取量について確認したいときは推奨量を目安とするとよいでしょう。なお、ビタミンB₂は水溶性ビタミンで、過剰摂取の可能性は低いため、耐容上限量は設定されていません。
ビタミンB₂ | ||||
---|---|---|---|---|
男性 | 女性 | |||
推定平均必要量 | 推奨量 | 推定平均必要量 | 推奨量 | |
12~14歳 | 1.3mg | 1.6mg | 1.2mg | 1.4mg |
15~17歳 | 1.4mg | 1.7mg | 1.2mg | 1.4mg |
18~29歳 | 1.3mg | 1.6mg | 1.0mg | 1.2mg |
30~49歳 | 1.3mg | 1.6mg | 1.0mg | 1.2mg |
50~64歳 | 1.2mg | 1.5mg | 1.0mg | 1.2mg |
65~74歳 | 1.2mg | 1.5mg | 1.0mg | 1.2mg |
75歳以上 | 1.1mg | 1.3mg | 0.9mg | 1.0mg |
妊婦(付加量) | +0.2mg | +0.3mg | ||
授乳婦(付加量) | +0.5mg | +0.6mg |
妊婦・授乳婦の場合0.2mg~0.6mgほど多く摂取する
妊娠中は赤ちゃんの発育に必要な量を考慮して、推奨量で0.3mgの付加量が設定されています。また、授乳中の場合は、母乳中のビタミンB₂の量をもとに、推奨量で0.6mgの付加量が設定されています。
1食あたりのビタミンB₂の量(mg) | |
---|---|
ゆで卵 1個(50g)5) | 0.16 |
ブロッコリー・焼き(50g)5) | 0.20 |
アーモンド 15粒(20g)5) | 0.21 |
納豆 1パック(40g)5) | 0.22 |
普通牛乳 200mL5) | 0.30 |
ヨーグルト(低脂肪無糖)180mL5) | 0.34 |
いわし油漬け缶詰め(110g)5) | 0.35 |
魚肉ソーセージ 1本(70g)5) | 0.42 |
さば缶詰・みそ煮(180g)5) | 0.67 |
5
ビタミンB₂を摂取できる
おすすめレシピ
長いもの和風グラタン
- 材料(1人分)
-
-
- 鮭(甘塩タイプ)
- 1切(60g)
-
- 冷凍ブロッコリー
- 3房(30g)
-
- まいたけ
- 20g(約1/5パック)
-
- 冷凍長いも
(手に入らない場合は、生のものを使用) - 80g
(生のものを使用する場合は、2~3cm)
- 冷凍長いも
-
-
- 牛乳
- 大さじ1
-
- しょうゆ
- 小さじ1と1/2
-
- みりん
- 小さじ1
-
-
- ミックスチーズ
- 大さじ2(約20g)
-
- こしょう、パセリ
- お好みで
-
- 栄養価(1人分)
-
-
- エネルギー
- 273kcal
-
- たんぱく質
- 23.1g
-
- 食塩相当量
- 2.7g
-
- ビタミンB₂
- 0.27mg
-
- 作り方
- <事前準備>
- まいたけは食べやすい大きさにカットしておく。
- 冷凍ブロッコリーと冷凍長いもは、解凍しておく。
- 解凍した長いもは、Aと混ぜ合わせておく。
-
- 耐熱皿に、まいたけ、鮭の順にのせ、トースターまたはオーブンで15~20分焼く。
※火の通り具合によって加熱時間は調整する。 - 1が焼き上がったら一度取り出して、Aを混ぜた長いもをかけ、チーズをのせる。
- トースターでさらに5~6分ほど焼き色がつくまで焼く。
- お好みで、こしょう、パセリをのせる。
- 耐熱皿に、まいたけ、鮭の順にのせ、トースターまたはオーブンで15~20分焼く。
ポイント
- 長いもを使用することで、グラタンソースが手軽に作れます。
- 冷凍ブロッコリーを生のものに変更すると、ビタミンB₂がさらに効率よく摂取できます。
- 鮭をスモークサーモンで代用することも可能です。スモークサーモンの場合は、使用するしょうゆの量を調整してください。