【管理栄養士監修】
主食・主菜・副菜
とは?理想的な献立の
考え方
健康的な生活には、主食・主菜・副菜を組み合わせて栄養バランスに配慮した食事を摂ることが大切とされています。ここでは主食・主菜・副菜の基本的な考え方と理想的な献立を組むポイント、1日に必要な栄養について解説します。
1
主食とは?
主食とは、米、パン、めん類などの穀類を主材料とする料理のことです。主に、エネルギー源として重要な炭水化物の供給源になります1)2)。
日本は気候と地形の多様性に恵まれており、季節や地域によって旬の食べ物や産物が異なるため食材の種類が豊富です3)。主食は食事全体を決める中心的な位置づけの料理とされており、主食に合わせて主菜や副菜を選ぶ傾向があります1)。
主食となる食品の例:
ごはん・おにぎり・食パン・うどん・スパゲティ
2
主菜とは
主菜とは、魚や肉、卵、大豆製品などを使った副食(おかず)の中心となる料理です。主にたんぱく質の供給源になります1)3)。主菜は、使用する食材や量、調理方法によって1食のエネルギーや栄養素が大きく変化することが特徴です3)。
主菜となる食品の例:
焼き魚、刺身、から揚げ、ハンバーグ、納豆、冷奴
3
副菜とは
副菜とは、野菜などを使った料理です。主食と主菜に不足しがちな栄養素(ビタミン、ミネラル、食物繊維など)を補ったり、食事全体の彩りを豊かにしたりする役割があります1)3)。
副菜となる食品の例:
野菜サラダ・具入り味噌汁・ほうれん草のお浸し・野菜炒め・ひじきの煮物・きのこの炒めもの
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理想的な献立のポイントは
「主食・主菜・副菜」の
バランス
「主食・主菜・副菜」の考え方を基本とすることで、多様な食品を組み合わせて必要な栄養素を摂ることができ、栄養バランスも整います1)3)。
献立を考えるときは、1食単位で主食・主菜・副菜を組み合わせるようにしましょう。牛乳や乳製品、果物をプラスするのもよいでしょう3)。
《 1日の献立の目安4) 》
- 主食:ごはん(中盛)4杯程度、または、食パン(6枚切り)6枚程度
- 主菜:肉・魚・卵・大豆料理から3皿程度
- 副菜:野菜料理を5皿程度
- 牛乳や乳製品:牛乳コップ1杯程度
- 果物:みかん2個程度、またはりんご1個程度
身体活動・性別・年齢別にみる
一日の栄養バランス
1日に何をどのくらい食べればよいかは、身体活動や性別、年齢によって異なります。まずは、主食・主菜・副菜に牛乳や乳製品・果物を加えた5つの料理区分ごとに、自身の適量を把握することが大切です。各料理区分から「いくつ(SV)※」食べたらよいのか調べてみましょう5)6)。
※ 1回あたりに提供される食事の標準的な量である「サービング(SV)」と、「1つ」「2つ」と指折り数えやすい「つ」を組み合わせた単位
女性
-
6~9才
70才以上 -
10〜17才
18~69才
※活動量低い -
10〜17才
18~69才
※活動量ふつう
以上
エネルギー (kcal) |
1800 ±200 |
2200 ±200基本形 |
2600 ±200 |
---|---|---|---|
主食 | 4~5 | 5~7 | 7~8 |
副菜 | 5~6 | 5~6 | 6〜7 |
主菜 | 3~4 | 3~5 | 4~6 |
牛乳 乳製品 |
2 | 2 | 2〜3 |
果物 | 2 | 2 | 2〜3 |
男性
-
6~9才
70才以上 - 10~11才
-
12〜17才
18~69才
※活動量低い -
12〜17才
18~69才
※活動量ふつう
以上
単位:つ(SV)
SVとはサービング(食事の提供量)の略
※活動量の見方
「低い」:1日中座っていることがほとんど
「ふつう」:座り仕事が中心だが、歩行・軽いスポーツを5時間程度は行う
さらに強い運動や労働を行っている人は、適宜調整が必要です。
ハンバーガーやカレーは
主食?主菜?
理想的な献立を実現するにあたり、必ずしも主食・主菜・副菜ごとに何皿も用意しなければいけないわけではありません。たとえば、ハンバーガーやカレーライス、ロコモコ丼などは、一皿で提供されることの多い料理ですが、主食・主菜・副菜を組み合わせた食事といえます。メインがミートソーススパゲティであればサラダをプラスするというように、単純に料理の品数を増やすのではなく、主食・主菜・副菜に偏りが出ないような献立にするのがポイントです1)。
主食・主菜・副菜のバランスを
考慮した献立例4)
朝は時間や食欲がないかもしれませんが、パンやごはんなど主食は必ず摂るよう心がけましょう7)。主食・主菜・副菜をそろえるのが難しければ、主食に何か一品足すだけでも栄養バランスが改善されます。
カレーライスは主食・主菜・副菜が組み合わさった食事ですが、よほど具だくさんでない限り、野菜やたんぱく質が不足しがちです。サラダやスープなどで補うよう意識しましょう。デザートに果物を摂るのもビタミンやミネラルの補給になりおすすめです。
主菜は肉ばかりに偏りすぎず、魚も取り入れるようにするとよいでしょう。魚にはDHAやEPAといった良質な脂質が豊富に含まれています8)。また、副菜は野菜に限らず、きのこや海藻を取り入れると栄養バランスが整ううえに、献立のバラエティも広がります。
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なぜ米が主食?
日本の食の歴史
米は、今から約3000年以上前、縄文時代後期から日本で栽培されはじめました。米が日本に定着した理由としては、日本の気候が米の栽培に適していたことがあげられます。春から夏にかけては梅雨などでたくさん雨が降り、夏には熱帯並みの気温になる、高温多湿な日本の気候によっておいしい米が育ちます。また、肉や魚と比べて長期間の保存が可能であることからも、米が重宝されるようになり、弥生時代以降、主食として定着していきました9)10)。