【管理栄養士監修】
ビタミンDとは?
目安摂取量・食材・
摂取時のポイント

ビタミンDは、脂溶性ビタミンの一つです。健康な骨や歯の発育促進に必要な栄養素で、紫外線によって体内でも生成されることが報告されています。ここではビタミンDの働きと日光の関係、ビタミンDを多く含む食材と1日の目安摂取量を紹介します。

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ビタミンDとは?
体内での働きと日光との関係

ビタミンDは、脂(あぶら)に溶ける性質を持つ脂溶性ビタミンの一つで、きのこや魚類に含まれています。また、日光に含まれる紫外線が皮膚に当たることでも産生されます。食物から摂取したり皮膚で産生されたりしたビタミンDは、いくつかの酵素の働きによって代謝され活性型ビタミンDとなり、からだの中で作用します1)2)。ビタミンDは、腸管からのカルシウムやリンの吸収を促進することで骨の形成・成長を助ける働きがあり、丈夫なからだを維持するためには欠かせない栄養素です1)

ビタミンDの代謝過程
紫外線が皮膚に当たりビタミンDの前駆体プロビタミンDがつくられ「ビタミンD」となる→肝臓・腎臓で代謝され「活性型ビタミンD」となる 紫外線が皮膚に当たりビタミンDの前駆体プロビタミンDがつくられ「ビタミンD」となる→肝臓・腎臓で代謝され「活性型ビタミンD」となる

ビタミンDの産生には日光浴が必要?

食事だけで1日に必要なビタミンDの量を全て補うことは難しいため2)、適度な日光浴によって皮膚でのビタミンDの産生を促すことも大切です。
ビタミンDの産生を行うために必要な日光浴の時間は、地域や時刻、天候、皮膚の色によって異なるため、一律に「何分」と定義することはできませんが、夏のお昼頃であれば3~5分程度が目安になるでしょう。一方、冬の場合は、地域によって状況が大きく異なります。冬のお昼頃、那覇では10分もかからず十分なビタミンDが産生できますが、札幌では1時間以上もかかります1)

5.5μgのビタミンDを産生するために
必要な時間(分)1)
測定地点(緯度) 7月 12月
9時 12時 15時 9時 12時 15時
札幌(北緯43度) 7.4 4.6 13.3 497.4 76.4 2,741.7
つくば(北緯36度) 5.9 3.5 10.1 106.0 22.4 271.3
那覇(北緯26度) 8.8 2.9 5.3 78.0 7.5 17.0

※晴天日に、国内の各地域において(札幌、つくば、那覇)、顔と両手を露出した状態で5.5μgのビタミンDを産生するために必要な時間(分)を測定した値。

また、ビタミンD産生に必要な紫外線の波長は日焼けをする紫外線の波長とほぼ同じであることから、例えば、SPF30の日焼け止めをつけていると、皮膚でのビタミンDの産生量は5%以下に落ちてしまいます2)。過度な紫外線対策はビタミンDの皮膚での生成を妨げることにもつながるため、紫外線対策は地域や季節、天候に応じて行うようにし、それぞれにあった日光浴を心がけましょう。

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ビタミンDが
不足している場合
過剰摂取した場合の影響とは

ビタミンDが不足すると骨をつくる材料となるカルシウムの吸収も抑制されてしまいます。また、高齢者の場合はビタミンDの不足が長期にわたって続くことで、骨密度が低下し、骨粗鬆症性骨折のリスクが高まることが知られています1)4)
一方で、ビタミンDを過剰に摂取すると、腎障害、軟部組織の石灰化が引き起こされたり、嘔吐や食欲不振、体重減少などの症状が現れたりすることがあります1)4)

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ビタミンDは
1日にどれくらい必要?
摂取基準量まとめ

ビタミンDは、丈夫なからだを維持するためには欠かせない栄養素ですが、不足していても、たくさん摂りすぎてもからだへ悪影響を及ぼす可能性があります。1日に必要なビタミンDの量は年齢や性別によっても違うため1)、自分のからだに合った摂取量を知り、毎日の生活の中で上手に取り入れていくことが重要です。

1日あたりのビタミンDの摂取基準1)
男性 女性
目安量 耐容上限量 目安量 耐容上限量
18〜29歳 8.5μg 100μg 8.5μg 100μg
30〜49歳 8.5μg 100μg 8.5μg 100μg
50〜64歳 8.5μg 100μg 8.5μg 100μg
65〜74歳 8.5μg 100μg 8.5μg 100μg
75歳以上 8.5μg 100μg 8.5μg 100μg
妊婦
授乳婦
8.5μg -

ビタミンDの食事摂取基準量は、日光浴により皮膚でビタミンDが産生されることを踏まえて設定されています。そのため、食事から摂取するだけではなく、毎日の生活の中でできるだけ外に出て日光浴を行うなどの工夫をすることが大切です1)

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ビタミンDを
多く含む食材と含有量

ビタミンDは、動物性食品では、さけやうなぎ、さんまなどに、植物性食品ではきのこ類に多く含まれています4)

ビタミンDを含む食品3)

動物性食品

1食あたりのビタミンD含有量(μg

  • 0
  • 5
  • 10
  • 15
  • 20
  • 25
  • 30
  • 35
  • しろさけ(焼き)80g
  • べにざけ(焼き)80g
  • うなぎ(かば焼き)80g
  • さんま(焼き)100g
  • いさき(生)70g
  • さば缶詰(水煮)90g
  • くろまぐろ 脂身(生)50g
  • イクラ(生)20g
  • まいわし(焼き)50g
  • くろまぐろ 赤身(生)70g

植物性食品

1食あたりのビタミンD含有量(μg

  • 0
  • 2
  • 4
  • 6
  • 8
  • 10
  • 12
  • あらげきくらげ
    (油炒め)30g
  • まいたけ(油炒め)30g
  • エリンギ(焼き)30g
  • ぶなしめじ(ゆで)30
  • えのきだけ(ゆで)30g
  • 生しいたけ(油炒め)30g

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手軽にビタミンDを摂取できる
栄養補助食品
サプリメントを活用する

ビタミンDが不足しないようにするためには、ビタミンDを豊富に含む食品を意識的に摂ること、紫外線によるビタミンD産生を促すために日光浴をすることが大切です。しかし、日々の生活の中で十分な量のビタミンDを摂取することが難しい場合は、ビタミンDを強化した食品やサプリメントを利用するのも一案です。特に、ビタミンDの必要量が多い場合や、外へ出て日光浴をすることが難しかったり紫外線対策に気を使う必要があったりする場合には、用法・容量を守り過剰摂取に気をつけたうえで、栄養補助食品やサプリメントを活用してもよいでしょう。摂取のタイミングとして、食事中または食後すぐ、特に油を使用した料理と一緒に摂取すると吸収率が高まると言われています。

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ビタミンDを摂取できる
おすすめレシピ

鮭と舞茸のチーズソテー

材料(1人分)
  • 生鮭(切り身)
    1切れ(80g)
  • ブロッコリー
    40g
  • 舞茸
    25g
  • 塩・ブラックペッパー
    少々
  • オリーブオイル
    小さじ1/2(2g)
  • 顆粒コンソメ
    小さじ1/2(1.5g)
  • 粉チーズ
    大さじ1(6g)
  • 粉チーズ
    (トッピング用)
    少々
栄養価(1人分)
  • エネルギー
    250kcal
  • たんぱく質
    19.3g
  • ビタミンD
    13.2μg
  • 食塩相当量
    1.2g
作り方
  1. 生鮭は3~4等分のそぎ切りにし、塩・ブラックペッパーを振る。ペーパーで軽く水気を取ったら、混ぜ合わせたコンソメの2/3量を両面にまぶし、押さえつけるようにしてしっかりつけます。
  2. ブロッコリーは一口大に切り、ふんわりとラップをかけ、電子レンジ(600W)で30秒加熱する。舞茸は一口大に手で割く。
  3. フライパンにオリーブオイルを入れて中弱火で熱し、1を皮目を下にしてゆっくり焼く。焼き色が付いて表面がパリッとしたら裏返し同様に焼く。
  4. 3に8割程度火が通ったら、フライパンの空いているところで2を炒め、残りのコンソメを振って絡める。全体に火が通ったら器に盛りつける。
  5. 好みで粉チーズ少々を振る。

ポイント

  • カルシウムはビタミンDを含む食品と合わせると吸収率がアップします。
  • ブロッコリーをレンジで加熱することで調理時間を短縮できます。