わたしたちが
お答えします!
ネスレ開発者が
コンパクト栄養食 アイソカル®に
込めた想い
栄養補助飲料ではかつてなかった100mlという少量化を実現した『アイソカル® 100』の製品開発にたずさわったネスレ社員2人が、開発のきっかけとなった介護現場の現実や製品に込めた想いを語ります。
-
- プロダクトマネージャー
- 池ヶ谷淳貴
- マーケティング統括部
プロダクトスペシャリスト - プロダクトマネージャーとして関係部門と連携し、新製品の開発・育成から販売企画までを一貫して管理する。介護現場の声に応えて『アイソカル® 100』を企画立案。
-
- 製品開発担当
- 鳥橋千紘
- 生産本部
製造サービス部 栄養食品課 - マーケティングからのリクエストをもとに、実験室でのレシピ開発から工場での量産化までを担当する。マーケティング部門からの要請に応じて100mlでの製品化に尽力。
『アイソカル® 100』開発の
背景を教えてください。
池ヶ谷きっかけは、介護現場からの声でした。
現場の声を集めてみたら、なんと4割以上の方が飲みきれていないという結果だったんです。
足りない栄養を補助するための存在なのに、飲みきれなければその役目を果たすことができない。とてもショックでしたね。
だから、開発コンセプトは容量を125mlから100mlに抑えることでした。
少量化は技術的に難しいことも想像できましたが、「やるしかない!やるんだ!」という意気込みで始まったプロジェクトでした。
少量化には技術的に
どのようなハードルが
あったのですか。
鳥橋栄養素の量を維持しながら容量を少なくする。ということは、濃度が高くなるということでもあるんです。
ご利用者の中には飲み込む力が弱くなっている方も多いので、飲み込みやすさにもこだわる必要がありました。
そのヒントはたんぱく質にあったんです。
専門的な話になりますが、たんぱく質にもいろいろと種類があって分子の大きさによって粘度が変わるんです。『アイソカル® 100』では低分子、つまり分子の小さいたんぱく質を使うことで、飲み込みやすくなるように配慮しました。
飲みやすくするためには
工夫が必要だったのですね。
他にも苦労したことはありますか。
鳥橋濃度が高くなることで、味わいが出しにくくなるという問題もありましたね。
栄養素をたくさん入れると、全体的に味が濃くなるので、フレーバー(風味)が負けてしまいがち。それをいかにおいしくするかは大きな課題でした。
とくに、ネスレはコーヒーを扱っている会社なので、コーヒー味にはこだわりました。
コーヒーの味は、酸味や苦味など、いろんな要素で構成されているので、実はとても複雑なんです。それをフレーバーで再現するのにとても苦労しました。より多くの方に受け入れていただける味とはなんだろう、ということを突き詰めました。
実際に発売してみて
反響はどうですか。
池ヶ谷発売以降、「これなら飲みきれた!」という反響が多くて、本当にうれしい限りです。
容量自体もそうですが、パッケージを見たときのコンパクトさから受ける印象も大きいみたいですね。
飲みきれるようになって自信がつくと、食事への意欲が高まり、食べられる量も以前より多くなったという方もいるそうです。
また、介護する方などは、自分が選んで渡したものを飲みきれない姿を見ると「ごめんね」と申し訳ない気持ちになるそうですから、その点でもよろこんでいただけています。
125mlから100mlに。たった25mlの差がそんなに大きかったんだと改めて感じますね。
『アイソカル® 100』の
今後について教えてください。
池ヶ谷ご利用者にとって食は毎日の楽しみのひとつです。
だから、ストレスを感じたりネガティブな思いをすることなく、楽しかったり、うれしかったりするものであって欲しいと思います。
栄養補助という機能性だけでなく、例えば味のバラエティを充実させるなど、食の楽しみを通して介護の栄養管理をサポートしていきたいですね。
今後は製品だけでなくご高齢の方が食生活のなかで困ったり悩んだりしていることを解決できるようなサービスも含めてご提供したいと考えています。