
ビタミンB₆とは? 主な働きや多く含む食べ物・1日の摂取量を紹介
ビタミンB₆とは?主な働きや多く含む食べ物・1日の摂取量を紹介 ビタミンB₆は、たんぱく質の代謝において重要な役割を担う水溶性のビタミンです。肉や魚、レバーなどの動物性食品や、穀類やナッツ、ニンニクなどの植物性食品に多く含まれます。管理栄養士監修のもと、ビタミンB₆の働きや多く含む食べ物、1日の摂取目安量、不足した場合や摂りすぎた場合の影響について解説します。 目次 ビタミンB₆とは? ビタミンB₆の役割・働きとは ビタミンB₆とつわりとの関係 ビタミンB₆はたんぱく質の働きを助ける ビタミンB₆を多く含む食べ物 ビタミンB₆が多い野菜 ビタミンB₆が多い穀類・種実類 ビタミンB₆が多い魚介類 ビタミンB₆が不足するとどうなる? ビタミンB₆を過剰摂取するとどうなる? 【男女・年齢別】ビタミンB₆の1日の摂取量 妊娠中(初期・中期・後期)・授乳中の方の摂取量 1 ビタミンB₆とは? ビタミンB₆とは、8種類あるビタミンB群のうちの1つで、皮膚や髪を健康に保ったり、神経の働きに関わったりするビタミンです1)。主にたんぱく質の代謝を支える役割を果たします2)3)。ピリドキシンと呼ばれることもあります1)。 さらに詳しく説明すると、ビタミンB₆は、ビタミンB₆活性を持つ化合物の総称であり、アルコール型のピリドキシン(PN)、アルデヒド型のピリドキサール(PL)、アミノ基を持つピリドキサミン(PM)、それぞれのリン酸化型であるピリドキシン5́-リン酸(PNP)、ピリドキサール5́-リン酸(PLP)、ピリドキサミン5́-リン酸(PMP)があります2)3)。通常、食品中では、リン酸化型でたんぱく質と結合した状態で存在していますが、調理や消化の過程で分解されてPN、PL、PMの形で体内に吸収されます。日本人の平均的な食事の場合、ビタミンB₆の相対生体利用率は73%と報告されています2)。 ビタミンB₆の役割・働きとは ビタミンB₆は、補酵素としてたんぱく質やアミノ酸の代謝のほか、炭水化物、脂質の代謝にも関わります3)。また、リンパ球やインターロイキン2の産生の促進により免疫機能に関与し、そのほかにも、皮膚や髪の健康の保持、GABAやセロトニン、ドーパミンなどの神経伝達物質の合成、ヘモグロビンの合成にも関与しています1)3)4)5)。 ビタミンB₆とつわりとの関係 つわりの症状がある妊婦の方に、医師の指示のもと、ビタミンB₆が投与されることがありますが、産婦人科診療ガイドラインではビタミンB₆のつわりへの有効性について確実な結論は導き出されてはいません6)。妊娠中の方には胎児の成長に必要な量を考慮して、ビタミンB₆の1日の摂取推奨量が設定されていますので、適切な量を摂るよう心がけましょう2)。 >妊娠中(初期・中期・後期)・授乳中の方の摂取量 ビタミンB₆はたんぱく質の働きを助ける ビタミンB₆はたんぱく質の代謝を助ける補酵素です2)3)4)。食べ物に含まれるたんぱく質を体内で使えるよう分解したり合成したりする際に必要となります。そのため、たんぱく質の摂取量が多い場合はビタミンB₆の必要量も増えます2)4)。また、食事から得られるエネルギーが不足している場合、私たちの身体はたんぱく質をエネルギーに作り換えて利用します。この場合もビタミンB₆の必要量が増えます2)。 2 ビタミンB₆を多く含む食べ物 ビタミンB₆は、魚や肉、レバー、種実類、ニンニクなどに多く含まれます7)。また、バナナやじゃがいもなどにも多く含まれます8)。 ビタミンB₆が多い野菜...